造血幹細胞(読み)ゾウケツカンサイボウ

デジタル大辞泉の解説

ぞうけつ‐かんさいぼう〔ザウケツカンサイバウ〕【造血幹細胞】

血液中の赤血球白血球血小板などの血液細胞を産生する細胞のこと。この細胞には自己複製能があり、自らが分化して血液細胞になる。成人では主に骨髄に存在し、胎児では肝臓脾臓(ひぞう)、また臍帯血臍帯胎盤の中の血液)にも存在する。血球芽細胞

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世界大百科事典 第2版の解説

ぞうけつかんさいぼう【造血幹細胞 hematopoietic stem cell】

単に幹細胞ともいい,リンパ球や赤血球,白血球などの血液細胞のもととなる細胞をいう。骨髄など造血器官に存在する。リンパ球や血球は一定寿命をもっており,死滅・分解していくために常時新しいものが供給されなければならない。これらの供給源となるのが造血幹細胞である。形態学的に同定されてはいないが,各種の血球やリンパ球は一つの母細胞,すなわち造血幹細胞に由来すると考えられており,この造血幹細胞が分裂して,リンパ球や骨髄系血球の母細胞となり,さらに分裂して各系統の血球の母細胞に分化し,この母細胞は有糸分裂を重ねて数を増すとともに成熟し,固有の機能をもつようになる。

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化学辞典 第2版の解説

造血幹細胞
ゾウケツカンサイボウ
hematopoietic stem cell

血液幹細胞ともいう.すべての血球に分化できる能力をもつ幹細胞.骨髄に存在し,細胞表面にCD34抗原を有する.細胞表面に存在するタンパク質は,細胞の分化状態により異なるので,逆にそれらをマーカーに細胞を分類できる.このような目的で,細胞表面抗原(cluster of differentiation,CD)に対する多数の抗体がつくられ,利用されてきた.ここでいう抗原は,“抗原になる物質”の意味でタンパク質分子と同義である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内の造血幹細胞の言及

【血球】より

… 現在では,末梢血液の中に存在する赤血球,白血球,血小板の祖先をたどっていけば,一つの共通の母細胞に行き着くと考えられている。この母細胞を造血幹細胞といい,いちばん最初の造血幹細胞(方向が定まらず,どの種類の血球にでもなる能力がある)が分裂して,リンパ球および骨髄系(赤血球,顆粒球,単球,血小板を総括したもの)の母細胞,さらに分裂して各系統の血球になるように運命づけられた細胞へと分化していく。骨髄の中で各系統の母細胞は有糸分裂を重ねて数を増し,同時に成熟して固有の機能を備えてくる。…

※「造血幹細胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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