デジタル大辞泉 「荒ら」の意味・読み・例文・類語 あばら【▽荒ら/▽疎ら】 [形動][文][ナリ]1 荒れ果てたさま。「女はそのまま―な板敷のうえにいつまでも泣き伏していた」〈堀辰雄・曠野〉2 すきまだらけのさま。まばら。「うしろ―になりにければ、力及ばで引き退く」〈平家・七〉[名]「荒ら屋2」に同じ。〈新撰字鏡〉[類語]荒れる・荒れ果てる・荒廃 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「荒ら」の意味・読み・例文・類語 あばら【荒・疎】 [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙① すきまが多いさま。あけひろげたさま。まばら。[初出の実例]「こぞを恋ひて、かの西の対(たい)に行きて、月のかたぶくまで、あばらなる板敷にふせりてよめる」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七四七・詞書)② 家などの破れくずれてすきまが多く、荒れているさま。荒れて戸障子などのないさま。[初出の実例]「あばらなる蔵(くら)に、女をば奥におし入れて」(出典:伊勢物語(10C前)六)③ 人の態度やふるまいなどが心のこもっていないさま。[初出の実例]「人のふるまひのあばらなるをそけなしとそしる」(出典:名語記(1275)四)[ 2 ] 〘 名詞 〙① =あばらや(荒屋)①〔新撰字鏡(898‐901頃)〕② =あばらや(荒屋)②[初出の実例]「秋風は吹な破りそ我宿のあばらかくせる蛛(くも)のすがきを〈曾根好忠〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)雑秋・一一一一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例