荒れ鼠(読み)アレネズミ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「荒れ鼠」の意味・わかりやすい解説

荒れ鼠
あれねずみ

地歌(じうた)の本調子作物(さくもの)(おどけもの)。作詞・作曲者ともに不詳。鼠を題材に扱ったものには『荒れ鼠』『曲鼠(きょくねずみ)』『鼠の道行(みちゆき)』、そして『鼠の仇討(あだうち)』(初世富山清琴作曲)などがあるが、普通一般に「鼠」といえば『荒れ鼠』をさす。鼠の大将が真夜中に部下を引き連れ、指図を下して家中を暴れ回る最中に、尾長の鼠が赤まだらの大猫に首筋(くびすじ)をくわえられ、一同2階へ引き揚げるという曲である。また『荒れ鼠』と『曲鼠』とは文句はほとんど同じではあるが、『荒れ鼠』のほうは歌を聞かせ、『曲鼠』のほうは三絃(さんげん)の手を聞かせる行き方で、手事(てごと)があるために『荒れ鼠』より長く時間を要する。

[林喜代弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荒れ鼠」の意味・わかりやすい解説

荒れ鼠
あれねずみ

地歌の曲名。滑稽な内容を語る作物 (さくもの) の一つなので,作曲者はわざと明らかにされていない。本調子。半太夫物と記す歌本もある。天明年間 (1781~89) 以前に成立していたと思われる。台所を荒しまわる鼠の一族を擬人化して,猫とのいざこざを物語的に歌ったもの。同趣のものに『鼠の道行』『鼠の敵討 (あだうち) 』などがある。ほぼ同一歌詞で三味線の技巧を派手にしたものを「曲鼠」という。

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