荘厳ミサ曲(読み)ソウゴンミサキョク

デジタル大辞泉 「荘厳ミサ曲」の意味・読み・例文・類語

そうごんミサきょく〔サウゴン‐キヨク〕【荘厳ミサ曲】

原題、〈ラテンMissa Solemnis》⇒ミサソレムニス

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百科事典マイペディア 「荘厳ミサ曲」の意味・わかりやすい解説

荘厳ミサ曲【そうごんミサきょく】

ミサ・ソレムニスmissa solemnisとも。助祭および副助祭を伴って行われる荘厳ミサのための音楽ベートーベン作品《荘厳ミサ曲ニ長調》が有名。これは晩年の5年(1819年−1823年)を費やして作曲され,1823年ルドルフ大公に献呈された。編成は独唱(ソプラノアルトテノールバス),混声4部合唱と管弦楽。ベートーベンのミサ曲にはもう1曲,同じ編成による《ミサ曲ハ長調》(1807年)がある。→ミサミサ曲
→関連項目キリスト教音楽

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改訂新版 世界大百科事典 「荘厳ミサ曲」の意味・わかりやすい解説

荘厳ミサ曲 (そうごんミサきょく)
missa solemnis[ラテン]

司教が助祭と副助祭を伴って挙行する荘厳ミサ(または盛儀ミサ)のための音楽。もっとも有名な作品は,ベートーベンが晩年ルドルフ大公のために約5年を費やして完成した《荘厳ミサ曲ニ長調》(1823)である。この作品は,中世以来のミサ曲の慣例にしたがって五つのミサ通常式文を音楽化している。ベートーベンはカトリック教徒として典礼意味と手続きを十分に理解したうえで,一般的な典礼音楽のレベルをはるかに超える壮大かつ主観的な宗教音楽の作品を完成している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「荘厳ミサ曲」の意味・わかりやすい解説

荘厳ミサ曲
そうごんみさきょく
Missa solemnis

ベートーベンが晩年に作曲したミサ曲(ニ長調、作品123)。「ミサ・ソレムニス」とは本来カトリックの典礼のなかでもっとも荘重かつ大規模なミサをさすことばだが、この作品も題名の意味するとおり、4人の独唱者、混声四部合唱、そしてパイプ・オルガン付き管弦楽という編成をとり、五楽章あわせて約1時間半に及ぶ大きなミサ曲である。しかし内容は、教会における典礼用音楽の枠をはるかに超えたもので、むしろ個人的な宗教観が強く表れた音楽というべきであろう。ベートーベンは5年の歳月(1819~23)を費やし、独自の歌詞解釈と交響楽的手法によって、まれにみる個性的なミサ曲を完成させたのである。1824年ペテルブルグで一部初演。

[三宅幸夫]

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デジタル大辞泉プラス 「荘厳ミサ曲」の解説

荘厳ミサ曲

ドイツの作曲家L・v・ベートーヴェンのミサ曲『ミサ・ソレムニス』の別邦題。

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世界大百科事典(旧版)内の荘厳ミサ曲の言及

【ベートーベン】より

…これら2曲はこの時期のカンタービレ(歌うような)様式を代表する作品でもあり,主題の抒情的な美しさも大きな特徴となっている。1812年までに《第7交響曲》作品92(1813年初頭),《第8交響曲》作品93(1812)を完成させ,残された15年間の晩年における大管弦楽曲は《ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)》作品123(1823)と《第9交響曲》作品125(1824)の2曲を残すだけであった。内省的な深みを増した孤高の晩年様式の中心は室内楽曲とピアノ作品へと移っていく。…

※「荘厳ミサ曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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