落首(読み)ラクシュ

デジタル大辞泉 「落首」の意味・読み・例文・類語

らく‐しゅ【落首】

風刺批判・あざけりの意を含めた匿名のざれ歌。詩歌形式による落書らくしょ

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精選版 日本国語大辞典 「落首」の意味・読み・例文・類語

らく‐しゅ【落首】

  1. 〘 名詞 〙 風刺やあざけりの意を含めてよんだ一種戯歌(ざれうた)。詩歌の形式による落書(らくしょ)。落詩。
    1. [初出の実例]「其ころ、何ものかしたりけん、らくしゅをぞ、たてにける」(出典:仮名草子・古活字版竹斎(1621‐23頃)下)

落首の語誌

( 1 )ふつう、落書のうち、韻文形式のものをいうが、その区別は曖昧(あいまい)である。
( 2 )南北朝時代に盛んに詠まれるようになり、「太平記」にも多くの落首がみられる。


おち‐くび【落首】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 首を切ること。うちくび。斬首(ざんしゅ)
  3. 首を下に傾けること。
    1. [初出の実例]「をちくひなるをば、物をもとむるかとわらふ」(出典:教訓抄(1233)七)

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改訂新版 世界大百科事典 「落首」の意味・わかりやすい解説

落首 (らくしゅ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「落首」の意味・わかりやすい解説

落首
らくしゅ

時局の風刺や権力者を批判、嘲笑(ちょうしょう)した匿名の文章や詩歌のうち、とくに詩歌形式のものを落首という。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「落首」の意味・わかりやすい解説

落首【らくしゅ】

落書

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世界大百科事典(旧版)内の落首の言及

【替歌】より

…この場合,本歌をただまねたり,作り直したりするのではなく,本歌を連想させながら新しい歌境を生み出すことが重要であった。中世に多くみられた落首(狂歌体で,政治に対する風刺的批判を込めた句)なども替歌の一種とすることもできよう。落首の起源は権力者に対する寓意的批判を込めた童謡(わざうた)としての,いわゆる流行歌(はやりうた)にあり,名君たるもの巷(ちまた)の童謡に心すべしといわれた。…

【落書】より

…転じて,記述や描写の目的を定めずに遊び心で描く態度をさす。日本では,〈落書〉を〈らくしょ〉と読んだ時代が長く,そもそもは〈落首(らしじゆ)〉に由来することばである。落首は,詩歌の形で時事や人物を諷した章句を門や塀にはったり,道に落として世間の評判をたてようとする行為や作品をいった。…

【落書】より

…時の政情や社会風潮の風刺・批判,陰謀の密告,特定の個人に対する嘲弄・攻撃のために作成し,ひそかに,人目につきやすい場所に落としておいたり(落しぶみ),門戸や壁に書きつけたり,紙に書いて掲示したりした匿名(とくめい)の文書。詩歌の形式によるものは,とくに〈落首(らくしゆ)〉といいならわしてきている。また,いわゆる〈いたずらがき〉としての〈らくがき〉(落書,楽書)は,〈らくしょ〉が変化したものであるが,本来のそれとは区別されている。…

※「落首」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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