コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

抗体医薬 こうたいいやく antibody drug

5件 の用語解説(抗体医薬の意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

抗体医薬

医薬品として使用する抗体。この抗体には、同じ構造の均一なモノクローナル抗体(monoclonal antibody)(「細胞融合」)と呼ばれるものを使う。炎症を引き起こすサイトカインに対するモノクローナル抗体を、関節リウマチや各種ウイルス感染の治療に利用する試みがなされようとしている。その他、膵がん、非ホジキンリンパ腫乳がんなどに対するモノクローナル抗体の開発が進行中。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

抗体医薬

抗体は、体内に入った細菌やがん細胞など病気の原因となる異物とだけ結合。異物を死滅させたり、体内の免疫細胞の力を使って破壊したりする。その抗体を、病気に合わせて人工的に作ったのが抗体医薬。がん細胞などを狙い撃ちにできるため、がん細胞以外の細胞も破壊してしまう従来の治療薬とは異なり、副作用が少ないとされる。

(2008-01-16 朝日新聞 朝刊 2経済)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

こうたい‐いやく〔カウタイ‐〕【抗体医薬】

抗体免疫グロブリン)が病原体や異物などの抗原を認識するしくみを利用した薬剤。などの病気の原因物質の一部を投与することで、特定の抗体を増やして治療効果を狙う。抗癌剤のように、正常な細胞まで破壊することがないので、副作用が少ないとされる。破傷風菌に感染したウサギから取り出した血清破傷風患者に注射したのが始まり。現在は遺伝子工学細胞融合の技術を使用してマウスなどにヒトの抗体を作らせることができるが、コストや生産規模などの点で課題も多い。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

大辞林 第三版の解説

こうたいいやく【抗体医薬】

生体内で免疫反応にかかわる抗体タンパク質を主成分とする医薬品。特定の細胞や組織に選択的に作用するため、高い治療効果と副作用の軽減が期待される。 → バイオ医薬品

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

抗体医薬
こうたいいやく

抗体(免疫グロブリン)が抗原を認識するしくみを利用した医薬品。体内に侵入した病原体や癌(がん)細胞などの異物を抗原として認識し、生体を防御するためにこれらを標的と特定して抑制あるいは排除しようと抗体がつくられるという人体の免疫機能(抗原抗体反応)を利用する。抗体薬ともいう。抗原を加えて人工的に単一の特異性をもつ抗体(モノクローナル抗体)をつくりだし、免疫力を強化して癌細胞などの異物を攻撃し排除する。異物を標的と認識して攻撃する分子標的薬の一種である。従来の抗癌剤(制癌剤)は癌細胞以外の正常細胞をも攻撃してしまうことがあるが、抗体医薬は病原体や癌細胞などを特定して攻撃するため、高い治療効果が期待できるうえ、副作用も軽減できる。近年の抗癌剤の開発は抗体医薬が主流となりつつある。これまでに遺伝子組換え技術を使って、大腸癌治療薬として血管内皮細胞増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)に対して血管新生を妨げるようにはたらくモノクローナル抗体(ベバシズマブ)、乳癌治療薬としてヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2(ハーツー):human epidermal growth factor receptor type2)に対するモノクローナル抗体(トラスツズマブ)などが開発された。ほかにクローン病や関節リウマチの治療薬として腫瘍壊死(しゅようえし)因子(TNF:tumor necrosis factor)に対するモノクローナル抗体、臓器移植に対する拒絶反応を抑制する免疫抑制剤なども認可されている。また慢性白血病の抗体医薬の開発も進み、さらに治療効果を高めるために放射性同位元素などと抗体を結合させる研究や、インフルエンザウイルスに対する抗体医薬の開発も始まっている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

抗体医薬の関連キーワード免疫グロブリンγグロブリン免疫グロブリンE異常γグロブリン血症無γグロブリン血免疫グロブリンA免疫グロブリンM免疫グロブリンG免疫グロブリンD免疫グロブリンY

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

抗体医薬の関連情報