薬王寺跡(読み)やくおうじあと

日本歴史地名大系 「薬王寺跡」の解説

薬王寺跡
やくおうじあと

[現在地名]新宿区市谷薬王寺町

市谷南寺いちがやみなみてら町にあった新義真言宗の寺院。稲荷山東光とうこう院と号し、御府内八十八ヵ所の第二三番札所。太田道灌が江戸城築城に際して、城内の乾を鎮護するため山城稲荷いなり(現京都市伏見区)神霊勧請、合せて愛染明王を安置して稲荷山愛染寺としたのが草創で、当初の寺地は市谷御門の辺にあったという。寛永一二年(一六三五)市谷田いちがやた町の外堀普請によってこの寺地は収公され、替地を南寺町に与えられて移転したといい(「起立覚」薬王寺文書)、寛文新板江戸絵図では「アイゼン院」とみえる。


薬王寺跡
やくおうじあと

[現在地名]横須賀市大矢部一丁目

鎮守近殿ちかど神社の東にあり、現在寺跡には民家が建つ。寺跡背後の崖下に、三浦義澄墓と伝える凝灰岩製の五輪塔石灯籠を前にしてある。「風土記稿」によれば仏頂山と号し、本尊薬師。建暦二年(一二一二)和田左衛門尉義盛が父杉本太郎義宗・叔父三浦介義澄などの菩提のために創建し、義澄を開基とするが、中興開山大本禅師の時臨済宗となったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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