藤田元春(読み)フジタ モトハル

20世紀日本人名事典 「藤田元春」の解説

藤田 元春
フジタ モトハル

大正・昭和期の歴史地理学者 元・山梨大学教授



生年
明治12(1879)年2月4日

没年
昭和33(1958)年4月13日

出生地
京都府桑田郡鶴ケ丘村(現・美山町)

学歴〔年〕
京都師範〔明治33年〕卒,京都帝大文科大学史学科〔大正9年〕卒

学位〔年〕
文学博士(京都大学)〔昭和22年〕

経歴
小学校訓導、中学地理教員資格を得て中学教諭。大正9年京都帝大助手、14年第三高等学校教授兼大阪高校教授。昭和18年退官。25年山梨大学講師、30年教授、31年退官。また立命館大教授も務めた。小川琢治内藤湖南師事、歴史地理学の新分野を開拓した。著書に「日本地理学史」「日本民家史」「平安京変遷史」「尺度綜考」「上代日支交通史の研究」「日支交通の研究 中・近世篇」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「藤田元春」の意味・わかりやすい解説

藤田元春 (ふじたもとはる)
生没年:1879-1958(明治12-昭和33)

地理学者。京都府美山町の神官の家に生まれた。1900年京都府師範学校を卒業し,教員となったが,37歳で京都帝大史学科に選科生として入学,小川琢治,内藤湖南らに師事。24年京大地質学教室に創設された地球学団の代表者となり,機関紙《地球》に健筆をふるった。同年外務省より中国調査旅行(4名)を命ぜられ,これが機縁で中国の歴史地理の著作が多く,47年《日支交通の研究》で文学博士の称号を得た。1925年第三高等学校兼大阪高等学校の教授となり,また京都市民のために地理の臨地講義を行い名声を得た。第2次大戦後は山梨大学,立命館大学に迎えられ,教授の職責を果たした。《日本民家史》(1927),《尺度綜考》(1929)などの著もある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤田元春」の解説

藤田元春 ふじた-もとはる

1879-1958 大正-昭和時代の地理学者。
明治12年2月4日生まれ。小川琢治(たくじ),内藤湖南にまなぶ。中国調査旅行をおこなって中国の歴史,地理関係の著作を多数執筆したほか,「日本民家史」などをあらわした。大正14年三高兼大阪高教授。戦後は山梨大,立命館大の教授をつとめた。昭和33年4月13日死去。79歳。京都出身。京都帝大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「藤田元春」の解説

藤田 元春 (ふじた もとはる)

生年月日:1879年2月4日
大正時代;昭和時代の歴史地理学者。山梨大学教授;立命館大学教授
1958年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の藤田元春の言及

【集落】より

… 個別の都市や特定のカテゴリーに属する都市の変遷が取り上げられることも村落にみられない特色である。それらの研究としては喜田貞吉の平城京などの研究をまとめた《帝都》(1915),藤田元春の《平安京変遷史》(1930),小野均の《近世城下町の研究》(1928),大井重二郎の《上代の帝都》(1944),藤岡謙二郎の《国府》(1969),豊田武の《日本の近世都市》(1952),矢守一彦の《幕藩社会の地域構造》(1970)などがある。最近では計量地理学を導入した都市研究も多くなってきている。…

【民家】より


[民家研究]
 日本において民家が学問的な研究対象になったのは1900年ころからである。その一つは地理学の面からで,当時著しい成果をあげていたドイツの集落地理学の影響を受けたもので,28年に藤田元春が《日本民家史》を著して民家研究の先駆的な役割を果たすなど,主として屋敷や民家の形態的な比較研究の成果を積みあげている。第2は,常民の生活文化の解明に主眼を置いた民俗学や建築学の立場からの調査で,1917年に柳田国男,今和次郎らの〈白茅会〉,33年には竹内芳太郎,蔵田周忠,石原憲治らの〈民家研究会〉が結成された。…

※「藤田元春」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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