蘆谷蘆村(読み)アシヤ ロソン

20世紀日本人名事典 「蘆谷蘆村」の解説

蘆谷 蘆村
アシヤ ロソン

明治〜昭和期の童話研究家,詩人



生年
明治19(1886)年11月14日

没年
昭和21(1946)年10月15日

出生地
島根県松江市

本名
蘆谷 重常

経歴
栃木県で育ち、小学校卒業後、上京。国民英学会等で中等教育を受け、20歳前後から教育雑誌や少年雑誌の編集者になる。のち、児童読物の創作と研究に関心を深め、明治45年竹貫佳水を中心とした少年文学研究会で活躍。大正11年日本童話協会を創立し、「童話研究」を創刊する。童話の研究とその普及につとめ、また口演童話家の育成にもつとめた。14年「童話教育の実際」を刊行したほか、「模範口演童話集」など多くの著編書がある。また一方、早くは「新声」を拠点に詩人として進出し、「明星」「文庫」「創作」などに詩や詩論、訳詩を発表。のち「新文林」の新体詩欄選者となり、「ああ青春」(明治42年)としてまとめた。北原白秋、三木露風らと時代を同じくし、近代詩展開を担う一人でもあった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蘆谷蘆村」の意味・わかりやすい解説

蘆谷蘆村
あしやろそん
(1886―1946)

童話研究家。本名重常。島根県松江の生まれ。国民英学会や聖書学院に学ぶ。児童読物雑誌『新少年』(1908創刊)の編集を経て、1922年(大正11)に、主として口演(こうえん)童話家の集まりである日本童話協会を設立。その中心となって機関誌『童話研究』(1922創刊)、『童話資料』(1927創刊)を発行し、童話の研究、紹介、啓蒙(けいもう)に活躍した。キリスト教精神と欧米の童話の教養基盤に、伝承童話を中心に、幅広く童話研究の礎石を築き上げた。主著に『永遠の子どもアンダアゼン』(1925・コスモス書院)などがある。

[岡田純也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「蘆谷蘆村」の解説

蘆谷蘆村 あしや-ろそん

1886-1946 明治-昭和時代前期の童話研究家。
明治19年11月14日生まれ。国民英学会や聖書学院にまなび,大正11年日本童話協会を創立,「童話研究」「童話資料」を発行。口演童話の普及につとめた。昭和21年10月15日死去。61歳。島根県出身。本名は重常。著作に「世界童話研究」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「蘆谷蘆村」の解説

蘆谷 蘆村 (あしや ろそん)

生年月日:1886年11月14日
明治時代-昭和時代の童話研究家;詩人
1946年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android