デジタル大辞泉 「虎の威を借る狐」の意味・読み・例文・類語 虎とらの威いを借かる狐きつね 《「戦国策」楚策から》他の権勢に頼って威張る小人しょうじんのたとえ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「虎の威を借る狐」の意味・読み・例文・類語 とら【虎】 の 威(い)を借(か)る狐(きつね) ( 虎が狐をとらえて食おうとしたところ、狐が「自分は天帝の使いだから食うと天帝にそむくことになる。その証拠に自分のあとについて来てごらんなさい」という。いっしょに行くと百獣が皆恐れて逃げた。虎は自分を恐れて逃げるのを知らず愚かにも狐の言葉通りだと思ったという、「戦国策‐楚策」にある寓話による ) 他の権勢に頼って威張る小人物のたとえ。狐(きつね)虎の威を藉(か)る。[初出の実例]「うかれめの人をたらすは大礒のとらのいをかる狐なりけり」(出典:狂歌・吾吟我集(1649)八) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
故事成語を知る辞典 「虎の威を借る狐」の解説 虎の威を借る狐 力のない者が、強い者の権威を頼みにしていばることのたとえ。 [使用例] 「彼等は見えすいて軽薄であって低脳児だ」と中学側が思えば、商舩側は「俺達の学校の生徒に圧迫せられている奴」という虎の威を借る狐の気を負っていた[梶井基次郎*卑怯者|1923] [使用例] 虎の威をかりるキツネとは正に俺のことだ。純粋なテロリストとして死のうとしている俺なのに、そんな俺としたことが、軍をカサに着ている[高見順*いやな感じ|1960~63] [由来] 「戦国策―楚そ策」に見える話から。紀元前四世紀の半ば、中国の戦国時代、楚の国でのこと。王が、自国の大臣が外国から恐れられているといううわさを聞いて、本当かどうか、家臣たちに尋ねました。すると、ある家臣が次のように答えました。「虎につかまえられた狐が、こんなふうに言ったそうです。『私を食べてはいけません。私は、天帝から命じられた百獣の長なんです。うそだと思うなら、私の後に付いてきてください。みんな、恐がって逃げていきますから』。虎が狐について行くと、確かに動物たちは逃げていきます。虎は、自分が恐がられているのだとは気づかずに、すっかりだまされてしまいました。あの大臣が外国から恐れられているのは、王の軍隊を恐れているだけのことですよ」。 [解説] ❶この家臣がこんな話をしたのは、実は、大臣の権勢をねたんでいたから。だとすれば、王の力によって大臣が失脚することをたくらむこの家臣自身が、実は「虎の威を借る狐」だった、ともいえるでしょう。❷単にいばるだけではなく、私利私欲を満たそうとする者を指して、よく用いられます。 〔異形〕虎の威を借る。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
ことわざを知る辞典 「虎の威を借る狐」の解説 虎の威を借る狐 強いものの権威をかさに着ていばるずるがしこいもののたとえ。 [使用例] 虎の威をかりるキツネとは正に俺のことだ。純粋なテロリストとして死のうとしている俺なのに、そんな俺としたことが、軍をカサに着ている[高見順*いやな感じ|1960~63] [解説] 虎が狐をつかまえたとき、狐が「自分は天帝から命じられた百獣の王である」とうそをつき、「その証拠に今、お前の前を歩いて見せてやる」と言って、本当は後ろにいる虎を恐れて獣たちが逃げたのを、まるで自分の力のように見せかけたという。「戦国策―楚策・宣王」に見える寓話によることば。 出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報