城郭の防御施設の一種。竹を立て,結(ゆ)い並べて人馬の動きを妨げる竹矢来(やらい)のようなもの。〈模雁〉や〈茂架籬〉の字をあてることもある。虎落の字は中国の城塞の周りにめぐらした同様の施設の語によったもので,これに〈もがり〉の訓をあてた。《和訓栞》に〈もがり 竹を並べ行馬のごとく,毎節に枝を存し,物をかけほすに便りするをいふは,曲りの義なるべし〉,あるいは〈もぎはもがり也,かり反ぎ也〉とあり,《築城記》に〈モガリ竹ハ枝をソギてもくまじき也,又所々木の柱をたつる也〉とあるので,〈もがり〉の語源は〈曲り〉とも〈もぐ〉とも考えられるが,定かでない。もがりの竹の先をとがらせて外に向けて斜めに立てて結ったものを〈さかもがり〉といい,逆茂木(さかもぎ),逆木に通じた。なお冬に風が竹垣などにあたり“ひゆうひゆう”と音を発することを虎落笛という。
執筆者:村田 修三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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