エオルス音(読み)エオルスおん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エオルス音」の意味・わかりやすい解説

エオルス音
エオルスおん
aeolian tone

針金や細い棒に気流が当るときに発生する音をいう。針金に流れが当ると,針金の背後から交互に逆向きの渦が放出されて,カルマン渦列をつくって下流に流れ去る。その際,針金は周期的な力を受けて振動し,音を出す。振動数 n は,針金の直径 d と流速 u だけで決り,n=0.2u/d となることが実験的に知られている。この振動数が針金の固有振動数と一致するとき,共鳴によって強い音が発生する。こがらしのなか電線の鳴る音がこれである。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エオルス音」の意味・わかりやすい解説

エオルス音
えおるすおん

電線などの細い棒に強い風が当たるときに出る音。むちを速く振ったときに出る音も同じ原理によるが、電線の風下にできる「カルマンの渦」とよばれる渦巻群が電線の振動を促し、「ひゅうひゅう」という音をおこす。風速が大きいほど振動数も大きく、音は高い。1878年にドイツのストロールV. Strouhalが研究した。エオルス音aeolian soundsは古代ギリシアの風神アイオロスAeolusにちなんで命名された。

[大田正次]

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