螽蟖(読み)きりぎりす

精選版 日本国語大辞典「螽蟖」の解説

きりぎりす【螽蟖】

〘名〙
① 昆虫「こおろぎ(蟋蟀)」の古名。《・秋》
※神楽歌(9C後)小前張・蟋蟀「〈本〉支利支利須(キリキリス)の 妬(ねた)さ慨(うれた)さ や 御園生(みそのふ)に参りて 木の根を掘り食(は)むで」
② バッタ(直翅)目キリギリス科の昆虫。体長四~五センチメートル。草緑色に褐色を帯び、前胸部の背面やあしは褐色で、上ばねは緑色の地に褐色の小斑紋が並ぶ。触角は体長より長くバッタ類と区別できる。夏から秋にかけて野原の草むらに多く、長いうしろあしでよく跳躍する。雌の腹端には、剣状の産卵管がある。雄は「チョン、ギース」と鳴く。北海道を除く日本各地に分布。ぎす。ぎっちょ。はたおり。《季・秋》
※俳諧・七番日記‐文化七年(1810)六月「涼風や力一ぱいきりぎりす」
③ バッタ(直翅)目キリギリス科に属する昆虫の総称。触角は体長より長く、後脚は強大ではねるのに適する。キリギリス、クツワムシ、ウマオイ、ツユムシなど鳴くものが多い。
④ 江戸時代、吉原に通った二挺立(にちょうだて)の日除(ひよけ)舟。
※随筆・紫のひともと(1683)下「きりぎりす、此舟は二挺立の船にちひさきおほひしたる船を云。吉原の通ひ船也」
[語誌](1)「二十巻本和名抄」では「蟋蟀」を「木里木里須」、「蜻」を「古保呂木」としているが、中国では「蟋蟀」「蜻」は同じものをいう。
(2)「万葉集」の「蟋・蟋蟀」九例は旧訓ではキリギリスと訓んだがほとんどが字余りになるので賀茂真淵以後コホロギと訓む。平安の八代集ではすべて「きりぎりす」で、「こほろぎ」は見えない。

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動植物名よみかた辞典 普及版「螽蟖」の解説

螽蟖 (キリギリス)

学名:Gampsocleis buergeri
動物。キリギリス科の昆虫

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

デジタル大辞泉「螽蟖」の解説

きりぎりす【螽蟖/螽斯/蟋蟀】

直翅(ちょくし)目キリギリス科の昆虫。体は緑色または褐色で、体長4センチくらい。夏から秋にかけて日当たりのよい草原でみられ、雄は日中ギースチョンと鳴く。本州以南に分布するが、岡山以東のヒガシキリギリスと近畿以西のニシキリギリスに分類することもある。はたおり。ぎす。ぎっちょ。 秋》「わが胸の骨息づくや―/波郷
コオロギの古名。 秋》「無残やな甲(かぶと)の下の―/芭蕉

ぎす【螽蟖】

キリギリス別名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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