日本大百科全書(ニッポニカ) 「行政改革推進法」の意味・わかりやすい解説
行政改革推進法
ぎょうせいかいかくすいしんほう
行政のむだを省き、官僚組織をスリム化して「小さな政府」を実現するための諸改革を網羅した法律。正式名称は「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(平成18年法律第47号)。2006年(平成18)5月、当時の小泉純一郎内閣が構造改革の総仕上げとして制定した。政府系金融機関改革、特別会計改革、公務員の総人件費抑制、政府の資産・債務改革、独立行政法人の見直しの五本柱からなる。
政府系金融機関改革では、財政投融資などを原資とする政策金融が民業を圧迫しないよう、統廃合や民営化を進める基本方針を盛り込んだ。2008年10月に、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は民営化し、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、国際協力銀行(国際金融業務)は日本政策金融公庫に統合された(国際協力銀行は2012年4月に株式会社として分離独立)。財務実態が不透明とされる特別会計については、5年間で31あった特別会計を17まで削減。道路整備特別会計(道路特会)の財源である道路特定財源の一般財源化や、過大な特会積立金の取り崩しによる「埋蔵金」の活用に道を開いた。人件費抑制では、5年間で国家公務員の定員を5%以上、地方公務員を4.6%以上純減させる目標を設けた。資産・債務改革では財政投融資の縮小や政府保有資産の売却などを推進。独立行政法人の見直しでは101ある独立行政法人の民営化や民間委託の是非を検討することになった。
[編集部]