褻の装束(読み)けのしょうぞく

精選版 日本国語大辞典 「褻の装束」の意味・読み・例文・類語

け【褻】 の 装束(しょうぞく)

  1. 日常の殿舎の調度や衣服、装身具。衣類ではふだん着をいい、公家の服では宿直(とのい)装束をいう。⇔納めの装束。
    1. [初出の実例]「僧正布施外、奉褻装束一襲」(出典:小右記‐寛弘二年(1005)三月二九日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「褻の装束」の意味・わかりやすい解説

褻の装束
けのしょうぞく

平安時代以来、主として公家(くげ)階級の間で用いられた日常の服装の意。晴の装束に対する語。褻とは普段の私事をいい、儀式・年中行事など晴の公事に用いる服装や、宮廷出仕のときに着装する朝服の束帯や女房装束は晴の装束で、それ以外の私生活での服装を褻の装束とよんだ。たとえば男子では、烏帽子(えぼし)をかぶる直衣(のうし)、狩衣(かりぎぬ)、女子では袿(うちき)、衵(あこめ)、細長などの姿がそれである。しかし時代の下降とともに服装の簡略化によって、褻の装束が儀礼服化し、晴の装束として用いられるようになった。たとえば直衣について、平安時代末期には勅許によって冠(かんむり)をかぶって参内ができるようになり、近世になると烏帽子に直衣の姿も礼装の一つとされた。

[高田倭男]

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