改訂新版 世界大百科事典 「西門豹」の意味・わかりやすい解説
西門豹 (せいもんひょう)
Xī mén Bào
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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生没年不詳。中国、戦国時代初期の魏(ぎ)の文侯に仕えた官僚。鄴(ぎょう)(河北省磁県)の令(地方長官)となったが、当時、鄴では、黄河の氾濫(はんらん)を防ぐため河伯(かはく)(黄河の神)の嫁として毎年、娘を黄河に捧(ささ)げる迷信的行事が行われていた。彼はこの行事の指導者である巫(ふ)を河に投じ、これを廃止させた。その後、彼は民を徴発して12の渠(きょ)(用水路)を開き、田を灌漑(かんがい)した。当初、民衆はこの工事に不満を漏らしたが、やがて長く利益を受けることになり、この地は富裕になったという。この説話は、迷信の残る地方に対して、新しい開明的な思想や技術を握った中央の君主権力が、官僚を通じて支配や開発を推進していった当時の状況を反映するものと考えられる。
[重近啓樹]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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[産業]
本省では新石器時代から農業が始められていたことはすでにのべた。戦国時代の初め魏では有名な西門豹(せいもんひよう)によって漳河の灌漑工事などが行われたため,各地で生産が進み多くの古代都市が発達した。灌漑とともに運河も早くから開かれたが,歴代戦乱のため水利施設は破壊されて生産力は衰退することが多かった。…
…彼の在位中に魏は趙・韓とともに諸侯に列せられた。みずからは孔子の高弟の子夏に師事し,段干木を賓客とし,また西門豹(せいもんひよう)を鄴(ぎよう)の令に任命して灌漑事業を行わせ,法律家の李悝(りかい)の意見をいれて農業生産力の増強につとめた。一方,軍事面でも呉起や楽羊(がくよう)を将軍に起用して領土拡大をはかるなど,諸国に先がけて富国強兵策を実行し,魏を戦国初期における第一の強国に発展させた。…
※「西門豹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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