見捨てる（読み）ミステル

デジタル大辞泉

み‐す・てる【見捨てる／見^▽棄てる】

［動タ下一］［文］みす・つ［タ下二］
１ 見ていながら、そのままにしておく。「怪我人を―・てて道を急ぐ」
２ 世話をしたり、関係を保ったりするのをやめる。見限る。「不行跡がたたって身内からも―・てられる」
[類語]見限る・見放す・見切る・愛想が尽きる・愛想を尽かす・匙さじを投げる・見切りを付ける

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

み‐す・てる【見捨・見棄】

1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
   [ 文語形 ]みす・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
2. ① 見て知っているのに、そのままにほうっておく。見過ごす。
   1. [初出の実例]「いみたがへに、みな人ものしつるを、いだしたてて、やがてみすててなん」(出典：蜻蛉日記（974頃）中)
   2. 「はらからのあまたよはひかたふきて侍るも、見捨がたくて」(出典：俳諧・千鳥掛（1712）上)
3. ② 捨てて顧みないようにする。見かぎる。また、関係をたつ。
   1. [初出の実例]「見すて奉りてまかる空よりも、落ちぬべきここちする」(出典：竹取物語（９Ｃ末‐１０Ｃ初）)
4. ③ 相手を後に残して去る、または、死ぬ。
   1. [初出の実例]「ただ今、おのれみすてたてまつらば、いかで世におはせむとすらむ」(出典：源氏物語（1001‐14頃）若紫)
5. ④ ある地点、場所などを見て、そのまま通り過ぎる。
   1. [初出の実例]「永代橋の通を右に見捨(ミス)てて規々(すごすご)と下之橋の方へ引返す」(出典：恋慕ながし（1898）〈小栗風葉〉一五)

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