日本歴史地名大系 「見蔵岡遺跡」の解説
見蔵岡遺跡
みくらおかいせき
竹野川下流域の右岸に位置し、川に沿う標高六―八メートルの丘麓部および谷間部に立地する。縄文時代前期後葉―後期前葉、弥生時代後期―古墳時代前期、一二世紀末―一四世紀の集落跡。また古墳二基を含む。平成五年(一九九三)・同六年に発掘調査が実施された。
A地区は谷地形にあたり、下層は縄文土器を含む包含層があり、その上層に古代末から中世の掘立柱建物跡群がある。トレンチ調査の結果、縄文時代の住居跡は確認されなかったが、水場・作業場あるいは廃棄場などと推定される遺構が発見された。また後世の屋敷地の拡張に際して、両側の山裾を削っていることが明らかとなっている。B地区はA地区南側の丘陵先端部にあたり、縄文時代の住居跡の存在が想定される地点である。しかし縄文中期末の土器片数点が出土したのみで、遺構は発見されていない。土層からA地区の埋立時に削平されたことがうかがえ、遺構があったとすればB地区の微高地である北側の狭い範囲かと推定されている。この地区の東端から、弥生後期の竪穴住居跡東辺部の壁溝が発見されている。壁溝から三回の建替えが観察されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報