観海寺温泉(読み)かんかいじおんせん

日本歴史地名大系 「観海寺温泉」の解説

観海寺温泉
かんかいじおんせん

[現在地名]別府市観海寺

朝見川あさみがわ断層崖上にあり、北東方に別府市街地や別府湾を眺望できる。別府八湯の一つ。昭和六年(一九三一)大火後、観海寺復興泉と改められた。泉質は単純二酸化炭素泉。泉温摂氏四〇―五〇度。「豊後国志」には「寒温相適。湯色清潔。無硫気。人好飲之且浴。能療百疾」とある。鶴崎つるさき(現大分市)の儒者脇蘭室は文化四年(一八〇七)に当地を訪れ、「滝のやどり」に「湯は名に高き湯の平に並び、味ひ甘く色濃く、万の病に験あれば、四方の人来り集ふこと春秋をもてさかりなりとす」と記している。観海寺温泉記(豊後速見郡史)によると、宝永年間(一七〇四―一一)立石たていし村領主萩原兼従の室が当湯泉に湯治にきて平癒したため、兼従が当地の観海寺を再建したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「観海寺温泉」の意味・わかりやすい解説

観海寺温泉
かんかいじおんせん

大分県中部,別府市街地西方の山沿いにある温泉。別府八湯の1つ。朝見川に沿い,別府湾をのぞむ景勝地にあり,泉質は単純泉。泉温 57℃。閑静な保養環境の地であるが,近年レジャー施設やホテルが続々と建設されている。付近に鶴見地獄八幡 (やはた) 地獄がある。

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