鶴崎(読み)ツルサキ

デジタル大辞泉 「鶴崎」の意味・読み・例文・類語

つるさき【鶴崎】

大分市地名。旧鶴崎市。大野川三角州にあり、別府湾に面する。江戸時代港町。現在は臨海工業地帯

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精選版 日本国語大辞典 「鶴崎」の意味・読み・例文・類語

つるさき【鶴崎】

  1. 大分市北部の地名。別府湾に面し、大野川河口の埋立地造成により石油化学工業地帯となる。昭和二九年(一九五四市制。同三八年大分市に合併

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日本歴史地名大系 「鶴崎」の解説

鶴崎
つるさき

大野川とその支流乙津おとづ川に挟まれた地域。大野川によって形成された沖積地の先端部にあたる。参宮帳写(後藤作四郎文書)によれば、天正一七年(一五八九)七月一九日「つる崎村」宗次郎が伊勢神宮に参詣している。同一四年一二月、伊集院美作守・野村備中守・白浜周防守が高田たかた郷の、吉岡甚橘の領地にある鶴崎を攻めている。鶴崎は大友庶流吉岡氏の領地であった。このとき鶴崎城の吉岡妙林尼は島津勢とよく戦い、一時和平を結び、島津軍撤退の際大半を討取った(「歴代鎮西録」など)

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改訂新版 世界大百科事典 「鶴崎」の意味・わかりやすい解説

鶴崎 (つるさき)

豊後国(大分県)の港町。1601年(慶長6)肥後国熊本城主加藤清正瀬戸内への通路として豊後に2万3000石の領地を得たのにともない,熊本藩領となる。32年(寛永9)からは細川氏の支配下となり,幕末に至る。大野川河口のデルタに位置し,熊本藩主の参勤交代や豊後領分の年貢米積出しの拠点となり,熊本藩では1756年(宝暦6)より準町とした。町支配の責任者として番代がおかれ,参勤交代に関する役人としては船頭頭の下に船頭・加子が,また御座船波奈之(なみなし)丸・鳳麟丸等の修営のため作事所が設けられていた。民政支配機構としては郡会所が設けられ,郡代の下に役人が配されていた。町支配は町年寄が行い,出,西,新,本,堀川,横,今新,山川,三間,国宗という町筋があった。行政的には〈鶴崎三ヶ村〉といわれる鶴崎,寺司,国宗の3ヵ村からなっていたが,その中には御茶屋敷地の鶴崎小路,3村入組みの鶴崎町がおかれていた。〈鶴崎三ヶ村〉の1813年(文化10)の家数893(御家人,船頭などを含む),人数2280(百姓のみ)であった。古川古松軒西遊雑記》は〈鶴崎といへる所は甚よき町〉と評しており,船問屋,油屋,宿屋など商工業者の集住で町がにぎわった。文化的にも繁栄し,熊本藩は61年(文久1)成美館という藩校を設けたが,その下地になったのは,毛利空桑が1824年(文政7)に設立した知来館であった。1954年市制が施行され,63年大分市に合体した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶴崎」の意味・わかりやすい解説

鶴崎
つるさき

大分県中部、大分市の一地区。大野川三角州の一部を占める。旧鶴崎市。地名は戦国末期にみえ、1601年(慶長6)熊本藩領となり、小城下町を形成、河海交通の要地としても繁栄した。明治以後は大野川下流地方の小商業中心にとどまった。1925年(大正14)染料工業、1964年(昭和39)以降製油、重油発電、石油化学工業が立地、大分新産業都市の一部をなす。

[兼子俊一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鶴崎」の意味・わかりやすい解説

鶴崎
つるさき

大分県中東部,大分市の北東部,大野川河口左岸にある市街地。旧市名。 1949年市制,1963年大分市と合体。江戸時代は熊本藩領飛び地の政治中心地および港町として繁栄した。 1939年染料,医薬品関係の化学工場が立地,第2次世界大戦後はパルプ・製紙工場が進出した。 1964年以降は新産業都市に指定され,広大な埋立地に,鉄鋼,石油化学コンビナートが造成され,大分市の工業中核地区を形成。都市化が進んだ一方で,空気汚染が問題となった。

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百科事典マイペディア 「鶴崎」の意味・わかりやすい解説

鶴崎【つるさき】

大分県大分市東部地区。1954年市制の旧市で,1963年大分市に編入。市街地は大野川三角州上にあり,日豊本線が通じる。1925年染料工場の設置後工業地化,製紙・パルプ工場も立地,1959年以後別府湾岸の埋立が始まり,製油所,火力発電所などが進出,大分新産業都市の中核になっている。

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