節足動物の体表には接触感覚をつかさどる触毛(感覚毛)や触刺が多数生えている。触毛は最も単純な接触感覚器であって,ネコのひげと同じように口器やその回りにあるほか,触角,脚,尾毛などに特に多く分布している。触毛は比較的長く,中空で,その基部は柔らかい関節膜で体表と連結し,内部には感覚細胞の先端部が接している。触毛が物体に触れると,触毛基部の関節部に曲がりを生じ,その曲がり圧力がインパルスとして中枢神経へ伝えられる。ゴキブリの逃足が速いのは,腹部末端にある1対の尾毛に密生する触毛が人間の接近による空気の振動を素早く感じとるからである。この触毛は低周波の音をも感じとり逃避行動をとらせる。また,ミツバチの頭部後面やゴキブリの脚の関節部に密生する触毛(板状感覚毛)は,頭部や脚の動きによって屈曲するから頭部と胸部や二つの関節間の相対位置をしらせ,適切な運動を導く。
執筆者:笹川 滿廣
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ただ一つ,西アフリカ産の両生類ケガエルの胴の両側から大腿部にかけて1列に生えている〈毛〉は角質化した組織ではなく,皮膚の伸び出した生活組織で,えらのように呼吸機能をもつのであろうと考えられている。 特殊な毛としては,口の上にみられるひげ(ネコやネズミのひげ)や目の上の剛毛があるが,これらは毛囊鞘(もうのうしよう)中に血脈洞があり,感覚神経の末端が入りこんで一種の感覚器をなしているので,血洞毛,触毛,感覚毛などと呼ばれる。モグラ類では手首に,コウモリ類では飛膜にもあるが,ヒトにはない。…
…本来は,男子の顔面部,ほお,あご,および口の周りに生ずる,長く伸びる毛の房を指す(それぞれ漢字では髯,鬚,髭をあてる)が,転じて哺乳類の同様な毛の房,および上唇などに生える触毛をいうばかりでなく,これらに似た毛状の突起物をも,機能に関係なく,ひげということが多い。例えば,魚類のひれの前にある鰭刺(きし)を触鬚(しよくしゆ),ヒゲクジラ類の口内にある角質の板をくじらひげ,鋏角類の脚にある突起物を脚鬚(きやくしゆ)pedipalpというたぐいであり,植物でも,つるの先端を巻きひげ,単子葉類の根をひげ根という。…
※「触毛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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