「ふじ」にかわる南極観測船として建造された防衛庁(現防衛省)の砕氷艦。南極・昭和基地の南約100キロメートルにある白瀬(しらせ)氷河にちなんで命名された。基準排水量1万1600トン、全長134メートル、軸馬力3万馬力、最大速力約19ノットで、1.5メートルの連続砕氷能力があり、乗員170名のほかに観測隊員など60名が乗船できる。1982年(昭和57)日本鋼管鶴見製作所で建造された。「ふじ」に比べて排水量は約2倍、軸馬力は2.5倍、砕氷能力も約2倍になっている。砕氷時に氷から受ける力に対応した船首構造、氷に閉じ込められた場合の外力に対する横肋骨(ろっこつ)方式や耐氷帯方式外板などの特徴がある。また、氷盤に乗り上げたり氷丘に突っ込んで動きがとれなくなったときに、自ら船体を揺すって離脱するためのヒーリング(横傾斜)、トリミング(前後傾斜)用のタンク装置をもっている。氷状偵察用として1機、物資輸送用として2機のヘリコプターのほか、近代的な各種の観測装置を装備している。
[茂在寅男]
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(2012-11-14)
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…また,97年にはロシア・タンカーのナホトカ号遭難・重油流出事故で,艦艇のべ920隻を派遣して62万5310lの重油を回収するなどの活動もしている。民生協力としては,南極地域観測に対して,1965年度以降砕氷艦〈ふじ〉によって,83年以降は砕氷艦〈しらせ〉によって,毎年観測隊員,観測器材,食糧等の輸送その他の協力を行っている。さらに,特殊な業務として,毎年12月下旬から5月中旬にかけて気象庁が行う〈海氷予報業務〉に対して,1957年以降航空機によるオホーツク海沿岸から根室海峡および釧路南東海域における海氷観測への協力を行っている。…
…その後基地は一時閉鎖され,66年の第7次観測により再開,現在まで越冬観測が続けられている。この間観測船として,最初は〈宗谷〉が使用され,その後65年には〈ふじ〉が,83年には〈しらせ〉が就航した。第1次に11名で始まった越冬観測は82年には35名で行われた。…
※「しらせ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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