デジタル大辞泉
「言分」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
いい‐ぶん いひ‥【言分】
〘名〙
① 主張したい事柄。言うべき
箇条。また、不満で、言いたい事柄。不平。言い条。
※虎明本狂言・馬口労(室町末‐近世初)「まつわたくしがいひぶんをきひてくだされひ」
※
歌舞伎・天衣紛上野初花(河内山)(1881)
序幕「小屋をかけ、人寄せをしやあがるから、それで言分附けに来たのだ」
② (━する) 言いがかりをつけること。転じて、口論。いさかい。
※浮世草子・好色一代女(1686)二「
町人(まちにん)のすゑすゑ迄脇指といふ物さしけるによりて、云分
(イヒブン)、喧𠵅
(けんくゎ)もなくておさまりぬ」
③ 言われた内容。話される事柄。また、言い方。言いぐさ。
※浮世草子・西鶴織留(1694)六「手代が云分(イヒブン)を慥に、印判押といへば」
※
黄表紙・玉磨青砥銭(1790)「木戸ばん・口上いいなぞもみないいぶんのあるて
あいをつかふ」
いい‐わ・ける いひ‥【言分】
〘他カ下一〙 いひわ・く 〘他カ下二〙
※
源氏(1001‐14頃)
手習「
二人をのみぞ、此御方にいひわけたりける」
②
区別が分かるように言う。また、分かりやすいように区別して説明する。
※
史記抄(1477)三「
厲王と霊王と声相近てまぎるるほどに、むさ髭の霊王と云て云わくるぞ」
※俳諧・鷹筑波(1638)五「からき命をたすかりぞする 山桝(さんせう)のめしとられしもいひわけて〈貞義〉」
いい‐わ・く いひ‥【言分】
[1] 〘他カ四〙
事実をはっきりと述べる。
物事の
筋道を立てて言い聞かせる。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「我が領ずる荘々(さうざう)はた多かれど、たれかはいひわく人あらむ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報