精選版 日本国語大辞典 「言分」の意味・読み・例文・類語
いい‐ぶん いひ‥【言分】
〘名〙
※虎明本狂言・馬口労(室町末‐近世初)「まつわたくしがいひぶんをきひてくだされひ」
② (━する) 言いがかりをつけること。転じて、口論。いさかい。
※浮世草子・好色一代女(1686)二「町人(まちにん)のすゑすゑ迄脇指といふ物さしけるによりて、云分(イヒブン)、喧𠵅(けんくゎ)もなくておさまりぬ」
③ 言われた内容。話される事柄。また、言い方。言いぐさ。
※浮世草子・西鶴織留(1694)六「手代が云分(イヒブン)を慥に、印判押といへば」
④ 話がうまいこと。弁舌。
いい‐わ・ける いひ‥【言分】
〘他カ下一〙 いひわ・く 〘他カ下二〙
① 申し付けて、自分のもとより分けて遣わす。
② 区別が分かるように言う。また、分かりやすいように区別して説明する。
※俳諧・鷹筑波(1638)五「からき命をたすかりぞする 山桝(さんせう)のめしとられしもいひわけて〈貞義〉」
いい‐わ・く いひ‥【言分】
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「我が領ずる荘々(さうざう)はた多かれど、たれかはいひわく人あらむ」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒いいわける(言分)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報