言条(読み)いいじょう

精選版 日本国語大辞典 「言条」の意味・読み・例文・類語

いい‐じょう いひデウ【言条・言状ジャウ

〘名〙
① 言うべき事柄箇条。主張したい事柄。言い分。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)二番目「それでお前の云(イ)ひ条(デウ)は立つから」
② (「いうじょう(言定)」の影響による用法か。助詞「と」で上の句を受けて、下の句に対して連用修飾の働きをする) …とは言うものの。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉二五自分の不心得からとは言(イ)ひ雖(ジャウ)、恁(か)ういふ身の上に成ったに就いては、色々愁(つら)い悲い訳もありますので」
※永日小品(1909)〈夏目漱石〉モナリサ「調べものとは云(イ)ひ条(デウ)半分は写しものである」

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デジタル大辞泉 「言条」の意味・読み・例文・類語

いい‐じょう〔いひデウ|いひジヤウ〕【言(い)条/言(い)状】

言いたい事柄。言い分。
「自分の―ばかり通そうとして」〈紅葉金色夜叉
(「…と」「…とは」を受けて)…とは言うものの。…とは言いながら。
「邸うちとは―距離のある森つづきの小径こみちづたいで」〈野上迷路
[類語](1言い分言いぐさ言い開き弁解弁明釈明申し訳言い訳申し開き言い逃れ言い抜け逃げ口上遁辞陳弁/(2しかしだがところがけれどもけれどだけどだけれどもだってされどそれでもでもしかしながら然るに然れどももっともさりとてそれなのにそのくせかと言ってとは言えとは言うもののにもかかわらず

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