証拠能力(読み)しょうこのうりょく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

証拠能力
しょうこのうりょく

(1) 民事訴訟法上,証拠方法として用いうる適格性。現行法自由心証主義のたてまえを採用しているから,証拠能力についての制限はなく,いかなるものも証拠能力をもつ。例外的に当事者本人が証人になれないなどの制限がある。 (2) 刑事訴訟法上では,証拠が厳格な証明の資料として用いられる適格性をいう。公訴犯罪事実,法律上の刑の加重減免事由など刑事責任の存在およびその範囲を決定するのに必要な事実は,証拠能力のある証拠によって証明されなければならない。したがって,証拠能力のない証拠は事実認定の資料となしえない。このような証拠の取り調べに対しては当事者は異議の申立権を有し,取り調べ済みの場合には排除決定がなされる。任意性のない自白伝聞証拠について証拠能力の制限が設けられ,このほか明文の規定はないが理論的に違法収集証拠,当該事件に関する意思表示的文書 (起訴状,捜査報告書) ,無効な実体的形成行為によって作成された証人尋問調書などについても証拠能力が否定されている。

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大辞林 第三版の解説

しょうこのうりょく【証拠能力】

訴訟手続において、証拠として公判廷で取り調べることのできる適格。刑事訴訟法上、特に自白と伝聞証拠については証拠能力が制限されている。

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精選版 日本国語大辞典の解説

しょうこ‐のうりょく【証拠能力】

〘名〙 訴訟手続きの上で、証拠が証明の資料として用いられるために必要な資格。刑事訴訟法では、自白や伝聞証拠などについて一定の制限があるが、民事訴訟法においては、原則として制限はない。
※時間(1969)〈黒井千次〉五「彼の起訴事実がどれ程証拠能力の乏しいものであるか」

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世界大百科事典内の証拠能力の言及

【証拠】より

…補助証拠には,実質証拠の証明力を弱くする弾劾証拠と,強くする増強証拠がある。刑事訴訟では,証人等の供述の証明力を争うための証拠については,証拠提出の効果がその目的に限定される代わりに,証拠能力の制限が緩和される(刑事訴訟法328条)。(5)証拠は,証拠調べの方法の違いによっても分類される。…

※「証拠能力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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