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伝聞証拠 でんぶんしょうこhearsay evidence

翻訳|hearsay evidence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伝聞証拠
でんぶんしょうこ
hearsay evidence

ある事実についての証拠となるべき体験を体験者自身が公判廷供述するかわり,他の形で伝達するもの。他人からその体験を伝え聞いた者がそれを公判廷で供述する場合や,体験者の陳述を録取した書面が公判廷に提出される場合が,これにあたる。刑事訴訟においては反対尋問権保障 (憲法 37条2項) の見地から原則として証拠能力を欠くが (刑事訴訟法 320) ,一定範囲の例外が認められており (321条以下) ,実際上は,当事者が同意 (328条) することにより,検察官や警察官が作成した供述調書が証拠とされることが多い。

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百科事典マイペディアの解説

伝聞証拠【でんぶんしょうこ】

反対尋問(交互尋問を参照)を経ていない供述。ある事実を体験した者の供述を聞いた他人がそれを公判廷で供述する伝聞供述のほか,体験者自身が体験した事実を書面に記して裁判所に提出する供述書もこれに含まれる。

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世界大百科事典 第2版の解説

でんぶんしょうこ【伝聞証拠】

刑事裁判において,犯行の目撃者などAがみずから公判廷で証言することなく,Aから話を聞いたBが証人としてその内容を供述し(いわゆる〈また聞き〉の供述),あるいはAの供述を記載した書面が提出されるとき,それらを伝聞証拠という。すなわち,被告人の反対尋問の機会にさらされていない供述証拠である。このような伝聞証拠は原則として証拠能力をもたない,つまり犯罪事実の認定やその他の重要な事実の認定のための証拠としては利用されえない(伝聞法則)。

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大辞林 第三版の解説

でんぶんしょうこ【伝聞証拠】

証拠となるべき体験を直接体験者自ら公判廷で供述する代わりに、他の方法で公判廷に提出される証拠。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

伝聞証拠
でんぶんしょうこ

裁判所の面前での反対尋問を経ない供述証拠。反対尋問を経ない供述証拠には2種類がある。一つは、たとえば犯行の目撃者の目撃供述を聞いた者が、その聞いた内容を公判期日で供述するような場合であり、原供述者(犯行目撃者)に対する反対尋問ができない供述証拠である。もう一つは、たとえば犯行の目撃者が目撃内容を公判期日で供述するかわりに書面としたような場合であり、この場合も原供述者(犯行目撃者・書面作成者)に対する反対尋問ができない供述証拠である。このような反対尋問を経ない供述証拠は、その信用性に疑問が残るので、原則として、事実認定の証拠とすることはできない(刑事訴訟法320条1項)。これを伝聞禁止の原則または伝聞法則という。この原則は、憲法第37条第2項前段の「刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ」る、に由来する。
 ただし、証拠としての利用が禁止される伝聞証拠とは、その証拠によって供述内容をなす事実の真実であることを証明しようとする場合であって、そうでない場合には伝聞証拠とはいえないので、伝聞法則の適用外となる。たとえば、証人Aが、公判期日において、「Bが『Cは窃盗犯人だ』と言っていた」と供述した場合に、この供述証拠によって証明しようとする事実(要証事実)がCの窃盗行為である場合には、Aの供述は伝聞証拠であるが、これに対して、要証事実がBのCに対する名誉毀損行為である場合には、Bの発言自体はAが直接体験した事実であるから伝聞証拠とはならない。
 なお、伝聞禁止の原則には、広い範囲で例外(刑事訴訟法321条~328条)が認められており、この例外要件を備えた伝聞証拠には証拠能力が認められている。このような伝聞例外が認められるのは、反対尋問にかわる信用性の情況的保障があり、かつ、証拠とする必要性が認められるからであるとされている。また、簡易手続である即決裁判手続においては、被告人または弁護人に証拠とすることに異議がないかぎり、伝聞証拠を用いることができ(同法350条の2)、これは簡易公判手続においても同じである(同法320条2項)。[田口守一]

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