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諸病源候論 しょびょうげんこうろん

百科事典マイペディアの解説

諸病源候論【しょびょうげんこうろん】

病源候論とも。中国の隋の医家,巣元方らが610年ごろ煬帝(ようだい)の勅を奉じて編纂(へんさん)。50巻。広く病名をあげ,症候を記述し,病源を論じたもので,現存テキストは原本とかなり異なった編成であるが,後代に大きな影響を与えた医書である。
→関連項目医心方

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世界大百科事典 第2版の解説

しょびょうげんこうろん【諸病源候論 Zhū bìng yuán hòu lùn】

中国の医学書。通常《病源候論》と呼ばれる。隋の巣元方の撰とされているが,撰者の伝は明らかでなく,成立の正確な時期もわからない。内科だけでなく各科の疾患の病因と症候を記述している。病因論は六朝から隋・唐にかけての疾病観を知るのに重要であり,症候は当時の疾患の内容を知るのに役立ち,この時代の医書を理解するためには欠くことのできない書である。【赤堀 昭】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

諸病源候論
しょびょうげんこうろん

中国の医書。610年隋(ずい)の巣元方(そうげんほう)が勅を奉じて編纂(へんさん)した中国伝統医学における唯一の病因・病理・病態学全書である。全50巻、1726項目からなる。そのうち306項に治療術として導引法が付されている。この著作以後、『千金方(せんきんほう)』『外台秘要方(げだいひようほう)』『医心方(いしんほう)』ほか、中国・日本の医学全書は病気を分類するうえでこの書に範をとった。したがってその後代への影響は大きい。今日でも漢方医学における基本典籍とされ、とくに中国医薬古典に記された病名・術語を解釈する際に有用である。
 現存最古の南宋(なんそう)刊本(金沢(かねさわ)文庫旧蔵)が宮内庁書陵部に伝えられている。[小曽戸洋]

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世界大百科事典内の諸病源候論の言及

【寄生虫】より

…【小島 荘明】【本好 茂一】
[寄生虫病の歴史]
 中国の寄生虫病についての歴史は非常に長く,湖南省長沙の馬王堆1号漢墓の女性の死体からジュウケツキュウチュウ(住血吸虫)卵が,湖北省江陵の鳳凰山168号墓の男性死体からジュウケツキュウチュウ,ベンチュウ(鞭虫),ジョウチュウ(条虫)の卵が検出され,前2世紀ごろの中国では寄生虫に広く汚染されていたと推定されている。文献上でも《史記》の倉公伝など,古くから寄生虫についての記載があるが,寄生虫病についても詳しく記載している《諸病源候論》によると,7世紀初頭には伏虫,蚘虫,白虫,肉虫,肺虫,胃虫,弱虫,赤虫,蟯虫の9種の寄生虫が知られていた。伏虫,蚘虫,蟯虫は,それぞれジュウニシチョウチュウ(十二指腸虫),カイチュウ(回虫),ギョウチュウ(蟯虫)とされ,寸白虫ともいう白虫はジョウチュウの節片ではないかとされている。…

※「諸病源候論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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