朝日日本歴史人物事典 「貞松斎一馬」の解説
貞松斎一馬
生年:明和1?(1764)
江戸後期の挿花宗匠。正風遠州流の祖。生年には明和4(1767)年説もある。本名米沢寛篤,雅名米一馬(初代)。書を松川染竜 に学んで渓竜と号し,俳諧は谷口鶏口の門人で2代木犀桜川を称した。挿花の師は岸松斎一貞。編著書『挿花衣之香』の巻頭に師の松竹梅挿花図を掲げている。自身の言葉によれば,作風は「風致,長短,曲直の変化」「潤色有ん挿花」。弟子の貞槙斎一養は師の一馬について「正風の体を発明せられてより門葉年年に栄えける」と記している。正風遠州流は平成期の7代米一馬におよぶ。著書に文化4(1807)年自筆本『おもと伝授の事』(京都・柿葉文庫蔵),同5年刊『俳諧独稽古』などがある。
(岡田幸三)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報