企業が使用する資本(使用総資本)の構成内容をいい、具体的には、貸借対照表に表示されている調達源泉による区分、すなわち自己資本(資本金と各種準備金の合計)と他人資本(社債、長・短期借入金=負債の合計)の構成を問題にする。資本構成を判断する指標としては、自己資本比率(自己資本÷使用総資本)、負債比率(負債÷自己資本)などの比率が使用される。
資本構成が問題にされる理由は、使用総資本が同一であっても、資本構成によって、財務体質が異なるからである。高成長期には、負債比率が高い(自己資本比率が低い)ほうが有利であるが、低成長期には逆になる。また資本運用面である資産の構成との関連でいえば、短期借入金が固定資産に充当されるような体質であってはならない。以上の点から、自己資本比率は50%が望ましいとされてきた。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…いわゆる間接金融方式(直接金融・間接金融)といわれるものである。これは,日本の株式会社における資本構成を悪化させ,自己資本比率20~30%の大企業が続出した。しかし,1973年のオイル・ショック以降の厳しい景気後退のなかで,多くの企業は,成長機会が相対的に小さくなったこともあって,借入れを減らし,自己資本の拡充に努めるに至った。…
…しかし資本の価値構成はもともと技術的構成の基礎のうえになりたち,両者は密接に関連しているといわなければならない。 この資本の有機的構成(略して資本構成)は,生産過程の技術的な性格によって規定されるため,産業部門によって相違する。巨大な固定設備を要するような重工業部門などでは,概して投下資本額に占める可変資本(不変資本・可変資本)の比率は低く,資本構成が高い水準にあるといわれる。…
※「資本構成」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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