赤リン(読み)せきりん

百科事典マイペディア 「赤リン」の意味・わかりやすい解説

赤リン(燐)【せきりん】

リン同素体の一つ。比重2.05〜2.34,融点589.5℃(43.1気圧)。赤褐色粉末空気中常温で安定。416℃で昇華し,260℃で発火する。水,二硫化炭素に不溶。花火マッチ製造に使用。空気を遮断した密閉容器中で黄リン白リン)を320〜340℃で長時間熱してつくる。黄リンと違い化学的な反応性は弱く毒性がない。
→関連項目黄リン(燐)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤リン」の意味・わかりやすい解説

赤リン
せきリン
red phosphorus

リンの同素体の1つ。赤色ないし紫色粉末。性質は白リンと黒リンの中間。比重 2.05~2.34,融点 589.5℃ (43.1気圧) ,416℃で昇華。白リンのように自然発火しない。溶媒に不溶。白リンより活性は弱く,高温度でだけ反応する。 290℃で蒸留すると白リンを生じる。空気中で加熱すると約 260℃で発火,五酸化リンを生じる。塩素酸カリウム,過マンガン酸カリウム,過酸化物などの酸化物と混ぜると摩擦によって爆発し,危険である。安全マッチ,リン酸,リン化水素,無水リン酸,肥料農薬などの製造や有機合成に用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「赤リン」の意味・わかりやすい解説

赤リン(燐) (せきりん)

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化学辞典 第2版 「赤リン」の解説

赤リン
セキリン
red phosphorus

[別用語参照]リン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤リン」の意味・わかりやすい解説

赤リン
せきりん

リン

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世界大百科事典(旧版)内の赤リンの言及

【リン(燐)】より

… 単体リンには多くの変態があるが,同素体として白リン,紫リン,黒リンの3種が主要なものである。通常得られる黄リンは淡黄色で透明な蠟状であるが,純粋なら無色であり,本来白リンと呼ばれるもので,白リンの表面に赤リンの少量が生じて淡黄色を呈しているといわれている。白リンではリンは固体,液体,および溶液中でP4分子(正四面体,結合間隔P-P=2.21Å,結合角60゜)として存在している。…

※「赤リン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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