黄リン(読み)おうりん

百科事典マイペディア 「黄リン」の意味・わかりやすい解説

黄リン(燐)【おうりん】

リン同素体の一つ。純粋なものは無色で,正しくは白リンという。通常のものは一部赤リンに変化して淡黄色蝋状固体。融点44.1℃,沸点280.5℃,比重1.82。水にほとんど不溶。ベンゼン二硫化炭素にはよく溶ける。暗所ではリン光を発し,空気中では自然発火する。赤リンおよびリン化合物の製造発煙剤に用いる。猛毒水中に貯蔵する。
→関連項目猫いらずリン(燐)中毒

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黄リン」の意味・わかりやすい解説

黄リン
おうリン
yellow phosphorus

リンの同素体の1つ。無色または黄色の透明な固体。正式には白リン white phosphorus と呼ぶ。融点 44.1℃,沸点 280℃,比重 1.82。揮発性で,真空中では常温でも光に当ると昇華する。暗所で空気に触れるといわゆるリン光を発する。水,アルコールには難溶,二硫化炭素に易溶。湿った空気中では約 30℃で発火するが,乾いた空気中での発火温度はこれより高い。蒸気およびリン自体は有毒。致死量 50mg。硝酸で処理すると正リン酸になり,水酸化アルカリと反応してホスフィンと次亜リン酸ナトリウムを生じる。猛毒なので皮膚への接触は避ける。水中に保存することが必要である。殺鼠剤,発煙剤,リン化合物の製造などに使われる。 (→リン )

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改訂新版 世界大百科事典 「黄リン」の意味・わかりやすい解説

黄リン(燐) (おうりん)

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化学辞典 第2版 「黄リン」の解説

黄リン
オウリン
yellow phosphorus

[別用語参照]リン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄リン」の意味・わかりやすい解説

黄リン
おうりん

リン

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世界大百科事典(旧版)内の黄リンの言及

【リン(燐)】より

…親生元素の代表的なものである。
[製法]
 リン酸カルシウムを含むリン鉱石,ケイ砂,コークス(あるいは天然ガス)を混合して電気炉中で1200~1400℃で融解し,生成したリン蒸気を冷却,凝縮して水中で回収すると黄リンが得られる。得られた黄リンは,微粒子としてから硝酸で洗浄すればヒ素,セレン,硫黄などの不純物を取り除くことができる。…

※「黄リン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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