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超音波顕微鏡 チョウオンパケンビキョウ

デジタル大辞泉の解説

ちょうおんぱ‐けんびきょう〔テウオンパケンビキヤウ〕【超音波顕微鏡】

超音波を利用する顕微鏡周波数が100メガヘルツから3ギガヘルツの超音波パルスを試料に照射し、その反射波や透過波を圧電素子で受信し、試料表面および光学的には見られない内部構造などを観察する。電子部品、半導体素子の非破壊検査などに使われる。1マイクロメートル程度の分解能をもつ。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうおんぱけんびきょう【超音波顕微鏡 ultrasonic microscope】

超音波を用いて物質の微細な部分を観察する装置。100MHzから3GHz程度の高周波が用いられ,光に匹敵する分解能が得られている。試料各点からの音響情報をとらえながら観察点を移動し二次元像を作る走査型顕微鏡の一種である。超音波顕微鏡は2種類に分けられる。一つは細く収束した超音波ビームを用いる方法であり,超音波を収束させるには光と同様にレンズを用いる。周波数が高いほど細いビームが得られる。電気信号は圧電振動子により超音波に変換される。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

超音波顕微鏡
ちょうおんぱけんびきょう
ultrasonic microscope

超音波を試料に当て、その反射または透過波を利用して像を見る顕微鏡。超音波もギガヘルツ級になると水中の波長が1マイクロメートル程度となり、光学顕微鏡と同程度の分解能が得られる。また、音波であることから試料の光学的な性質に左右されず、試料の表面像のほか表面下の構造も見ることができ、無染色で生体組織も観察できる。
 超音波を顕微鏡に利用する考えは、1930年にソ連のソコロフにより提唱された。しかし、本格的な開発が始められたのは1973年に、アメリカ、スタンフォード大学のクェートらが、集束した超音波ビームを用いた走査型の顕微鏡を考案してから研究が盛んとなった。
 走査型超音波顕微鏡には反射型と透過型のものがあり、分解能と侵透の深さに応じて、100メガから3ギガヘルツくらいの超音波が使用される。反射型は、音響レンズの上面に貼(は)り付けた圧電素子で超音波パルスの送受を行う。送信時と受信時のパルスを分離する必要があるが、試料に対する制限が少なく、物質の弾性的な差を表現しやすい利点がある。透過型は、2個の対向した音響レンズ間に試料を入れ、超音波の送受を各音響レンズに貼り付けた圧電素子で行うものである。製品化されているものは前者が多いが、いずれも超音波の試料への照射を容易にするために、試料と音響レンズ間を液体で満たしている。音響レンズにはサファイアの結晶などが使われる。形は上面を平坦(へいたん)に研磨したじょうご形で、下部に50~100マイクロメートルの凹(くぼ)みがつくられており、大きさは直径・高さとも1センチメートルに満たない。超音波はこの凹みを通って試料と超音波パルスを送受する。1ギガヘルツの超音波を送受する圧電素子の厚さは1マイクロメートル程度ときわめて薄い。
 走査型の超音波顕微鏡で超音波パルスを照射してそのエコーまたは透過した信号を取り込みながら試料台をすこしずつ水平に動かし、信号の強弱を各位置に応じた箇所に描画する。この方式により水平方向の分解能は1マイクロメートル、深さ方向の分解能が2マイクロメートル程度のものが得られている。深さ方向の分解能が0.3マイクロメートルの超音波顕微鏡も干渉顕微鏡法を用いて実現されている。
 光走査型超音波顕微鏡とよばれるものは、超音波を斜め下から試料全面を照射し、試料に生じる微細な変化をレーザー走査によりとらえるもので、光学像と音響像が同時に得られる。[岩田倫典]

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