サファイア(読み)さふぁいあ(英語表記)sapphire

翻訳|sapphire

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サファイア」の意味・わかりやすい解説

サファイア
さふぁいあ
sapphire

宝石の一つ。鉱物学的にはコランダムと同じ。青ないし灰色。青色系統のものが良質とされる。単結晶の透明に近いものを球形に研磨して、c軸(6回対称軸にあたる)方向から見ると、星芒(せいぼう)と称する6方向に放射状に光る線が出現することがあり、このようなものをスター・サファイアという。これが出ると宝石としての価値がいっそう高められる。サファイアの産状としては、良質のものは、アルミニウムに富む堆積岩(たいせきがん)起源接触変成岩あるいは特殊な玄武岩中のものがあげられる。花崗岩(かこうがん)質ペグマタイト気成鉱床、粘土鉱床など熱水交代岩、霞石(かすみいし)片麻岩中のものは、着色はしているが、良質のものは少ない。色の原因は明らかでない。9月の誕生石。

加藤 昭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サファイア」の意味・わかりやすい解説

サファイア
sapphire

青玉ともいう。六方晶系,菱面体晶族の鉱物。 Al2O3 。透明または半透明の青色を帯びた美しいコランダム (鋼玉) で,前 800年頃から宝石として珍重された。9月の誕生石。硬度9でダイヤモンドに次いで硬く,比重は 3.99で非金属鉱物としては異常に重い。結晶のC軸の方向から見たとき星状の蛋白光が見えるものをスター・サファイアという。無色,灰色,黄,薄いピンク,オレンジ,緑,紫,褐色のコランダムもサファイアとして知られ,赤色のものはルビーと呼ばれている。結晶質石灰岩,雲母片岩,片麻岩などの副成分鉱物として,閃長岩霞石閃長岩の初生鉱物として,また煌斑岩の岩脈,ペグマタイト中に大きな結晶として産出する。産地はスリランカ,タイ,オーストラリア,アメリカ,マダガスカル,フランスやカシミール,ウラル地方など。ベルヌーイ法で人工的に合成され,天然のものと区別しがたい良質のものもある。

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