股引(読み)ももひき

精選版 日本国語大辞典「股引」の解説

もも‐ひき【股引】

〘名〙 (「ももはばき股脛巾)」の変化した語)
腰部から脚部、主として股の部分をおおう男子用の下ばき。象股引猿股引など。パッチ。《季・冬》
※大館常興日記‐天文八年(1539)一二月三日「御走衆六人〈きゃはん ももひき〉」
義太夫節をしゃれていう語。「土佐上下に外記袴、半太羽織に義太股引、豊後可愛や丸裸」の俚諺による。
※雑俳・柳多留‐六三(1813)「股引を宮戸立派にして下り」
※雑俳・柳多留‐一〇(1775)「もも引の泊りもとるでけひるなり」
④ 銭二〇〇文をいう語。指二本を立てた形が①に似ているところからいう。
⑤ (④から転じて、揚げ代が二〇〇文だったところから) 私娼をいう語。

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百科事典マイペディア「股引」の解説

股引【ももひき】

今日の細身ズボンのような下ばき。紺無地木綿などで作り,下着や仕事着にする。半纏(はんてん),腹掛けとともに江戸時代職人のしるしで,股から下を細く作るのを〈いなせ〉とし,極端な場合は竹の皮を用いてかかとをすべらせなければはけなかった。後ろで打ち合せるため腰にゆとりができ動作に便利。パッチは京阪では足首までの長い股引,江戸では絹製のものをいい,朝鮮語に由来。猿股引(猿股(さるまた))は男の下着で短い股引をいう。防寒のためにズボンの内側にはくメリヤスや毛糸の下着も股引と呼ぶ。

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デジタル大辞泉「股引」の解説

もも‐ひき【股引】

脚にぴったりする、保温・防寒用のズボン下。 冬》
脚に合わせて仕立て、腰と足首とをひもで締める形にした木綿地の仕事着。江戸末期から、半纏はんてん腹掛けとともに職人の常用着。絹地のものは、江戸ではパッチといった。
[類語]猿股すててこパッチ

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世界大百科事典 第2版「股引」の解説

ももひき【股引】

ズボン状の下半身に着用する下ばきの一種。江戸時代,職人がはんてん(半纒),腹掛けと組み合わせて仕事着とした(図)。紺木綿の無地に浅葱(あさぎ)木綿の裏をつけ袷(あわせ)仕立てにしたが,夏用には白木綿や縦縞の単(ひとえ)もあった。すねにぴったりと細身に作るのを〈いなせ〉(粋)とし,極端なものは竹の皮をあてて(かかと)をすべらせなければはけないほど細く仕立てた。後ろで打ち合わせてつけ紐で結ぶのが特徴で,腰の屈伸が自由で機能的な仕事着である。

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世界大百科事典内の股引の言及

【仕事着】より

…手をおおうコテ,手甲(てつこう),あるいは足を保護する脚絆はばき(脛巾),アクトかけ,履物としては足半(あしなか),わらじ,わらぐつなどをはいた。 一方,関東以西では,上下一部式ともいうべき長着の着流しが多く,男子は裾を腰部の帯にからげて着用し,下半衣は股引(ももひき)をはいた。女性も,長着を短く端折って着用し,下に腰巻をつけ,この上に前掛けを締めるというのが一般的な姿であった。…

【パジ】より

…朝鮮の衣服で,男女ともに下半身をおおうものの総称。女子はチマの下に下着として身につけ,男子はパジの下にソクパジ(内襯袴)や褌類の〈犢鼻褌〉をつけ,おもて着としてはく。ふつう男のパジは前がふさがった窮袴で,女のパジは襠(まち)をあてて開服袴に仕立て用便の便をはかっている。夏は一重,秋冬は二重綿入れで,刺し子(納衣(ヌビ))のパジをつけることもある。パジの上部で帯をしめ,足首のところにはテニムという紐をゆわえるのがふつうである。…

※「股引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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