迄に(読み)マデニ

デジタル大辞泉 「迄に」の意味・読み・例文・類語

まで‐に【×迄に】

[連語]副助詞「まで」+格助詞「に」》
動作作用の至り及ぶ限度・範囲を表す。…に至るまで。…まで。「月末迄に書きあげよう」
「我が紐をいもが手もちて結八ゆふや川またかへり見む万代よろづよ―」〈・一一一四〉
動作・作用の至り及ぶ程度を表す。…ほど。…くらいに。「完膚かんぷなき迄にたたきのめす」
「あさぼらけ有明ありあけの月と見る―吉野の里に降れる白雪」〈古今・冬〉
動作・作用がそれ以上には及ばない意を表す。「御礼しるし迄に持参いたしました」
[補説]「に」を間投助詞とする説もあるが、用法は「まで」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「迄に」の意味・読み・例文・類語

まで‐に【迄に】

(副助詞「まで」に格助詞「に」の付いたもの)
[一] 下の動詞を状態的に修飾する「に」の場合。→に(一)③。
① ある事態の至り及ぶ時間的・空間的・数量的な限界を示す。
万葉(8C後)一七・三九〇七「あり通ひ 仕へ奉らむ 万代麻弖爾(マデニ)
② 事態の及ぶ程度を示す。ほどに。
※万葉(8C後)五・八四四「妹が家に雪かも降ると見る麻提爾(マデニ)ここだもまがふ梅の花かも」
③ 極端な例を挙げて、普通のものはいうまでもなくそうであることを示す。
土左(935頃)承平四年一二月二六日「あるじしののしりて、郎等までにものかづけたり」
④ 事態がそれ以上には及ばず、それに限られることを示す。…にすぎない。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉四「其度毎に御見舞のしるしまでにと持参する」
[二] 目標を指示する「に」の場合。→に(一)①。体言・活用語の連体形を受ける。事態の存在する範囲、または実現する期限を示す。…までの間に。
※土左(935頃)承平五年一月一六日「船に乗りし日より今日までに廿日あまり五日になりにけり」

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