近東(読み)キントウ

デジタル大辞泉 「近東」の意味・読み・例文・類語

きん‐とう【近東】

Near Eastヨーロッパに近い所にあるバルカン諸国・トルコシリアレバノンイスラエルエジプトなどの東方諸国の称。

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精選版 日本国語大辞典 「近東」の意味・読み・例文・類語

きん‐とう【近東】

  1. ( [英語] Near East訳語 ) ヨーロッパ人が、アジア西部、ヨーロッパに近い地域をさしていう呼称。トルコ、シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエルからエジプトまでを含む。イギリス人イランイラクを、アメリカ人はリビアアフガニスタンなどを含めていう。〔新しき用語の泉(1921)〕

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百科事典マイペディア 「近東」の意味・わかりやすい解説

近東【きんとう】

Near Eastの訳語。極東に対して,ヨーロッパからみて近いところにある東洋をさした地域概念中近東と同じ。トルコ,シリア,パレスティナ,イラン,エジプトがこれにふくまれる。近東の概念は中世北イタリア諸市の東方貿易発展に伴って形成されてきたが,厳密な地理学上の呼称でないため,時代によって範囲は変動し,現在ではほとんど使われない。→中東

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「近東」の意味・わかりやすい解説

近東
きんとう
Near East

西ヨーロッパを中心にした地域概念で、東方のうちの「近い東方」を意味し、中東(中ほどの東方)、極東(極めて遠い東方)と対をなす。具体的には、第一次世界大戦前、オスマン帝国によって領有されていた東ヨーロッパのバルカン半島から始まり、クレタ島、小アジア半島、ロードス島キプロス島レバント地方(レバノン、シリア、イスラエルなどの東部地中海沿岸地方)などの範囲をさす。ただ、中東との境界は明確でなく、中近東という便宜的な名称で一括されることも多い。

[末尾至行]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「近東」の意味・わかりやすい解説

近東
きんとう

中東」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の近東の言及

【中東】より


[中東の含意]
 地域概念としての〈中東〉が独立に,かつ広く用いられるようになったのは,第2次世界大戦後のことである。それ以前には,19世紀に東方問題の展開の中で生み出された地域概念である〈近東Near East〉ないしは〈中近東Near and Middle East〉が頻用されていた。近東および中近東は,主として,オスマン帝国ならびにカージャール朝国家の領域を指し,したがってヨーロッパ的語法からすれば,〈トルコ帝国〉ならびに〈ペルシア〉にあたるものであった。…

※「近東」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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