逆日歩(読み)ギャクヒブ

デジタル大辞泉 「逆日歩」の意味・読み・例文・類語

ぎゃく‐ひぶ【逆日歩】

株式信用取引貸借取引で、貸株残高が融資残高よりも多いときに、株を借りている売り方が支払う品借料。品貸料。⇔順日歩

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精選版 日本国語大辞典 「逆日歩」の意味・読み・例文・類語

ぎゃく‐ひぶ【逆日歩】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 株式の信用取引で、貸株残高が融資残高より多くなった場合、証券金融会社が足りない株式の調達費用として、その株の売り方に負担させる一定の品借料。
  3. 戦前株式取引における短期清算取引で、売り方が正株の受渡しを延期してもらうために、買い方に対して支払う日歩。順日歩に対する語。〔取引所用語字彙(1917)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「逆日歩」の意味・わかりやすい解説

逆日歩
ぎゃくひぶ

株式の信用取引、貸借取引における品貸(しなかし)料のこと。信用取引や貸借取引において、証券金融会社は、買い方または売り方に対して、株券担保にして必要な現金を、または現金(委託保証金)を担保にして株券を貸し付けている。通常は、買付け代金を借りる者(買い方)のほうが、売付け株券を借りる者(売り方)より金額的には多いので、売り方は資金の融資者として、買い方の払う日歩を受ける。これを順日歩という。ところが、借り株によって空(から)売りしている株数が融資による空買いの株数より多くなるときには株不足が生じるので、証券金融会社は不足株数の調達をしなければならず、売り方はその不足な借り株の品貸料をとられることになる。これを逆日歩という。逆日歩は1株について何円何銭と決められている。顧客に対する貸し株、品貸料率は、会員証券会社の競合によって決定され、取引所から発表される。

[桶田 篤]

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百科事典マイペディア 「逆日歩」の意味・わかりやすい解説

逆日歩【ぎゃくひぶ】

証券市場用語。信用取引において,通常は買い付ける株券を担保にその買付代金を借りる者(買方)が多いので,現金を担保に売付株券を借りる者(売方)は資金の供給者として買方の支払う日歩(順日歩)をもらう。ところが逆に買方の貸株が売方の融資を上回り株券が不足した場合,証券金融会社はそれを他から調達するが,不足する株券を借りる売方は一定の品借料を徴収される。これが逆日歩で証券金融会社を通じて買方に支払われる。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「逆日歩」の解説

逆日歩

株式の信用取引で空売りする人が増えると、貸し出す株が足りなくなってしまう。その場合、不足分については機関投資家などから有料(品貸料)で借入れ、需給関係を調整する。その際、空売りしている人が負担する品貸料を逆日歩と言う。不足株式を貸し出した側に支払われ、利益となる。

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世界大百科事典(旧版)内の逆日歩の言及

【信用取引】より

…なお,信用取引による買付顧客は,取引所の発表する料率による金利を証券会社に支払い,信用取引による売付顧客は,取引所の発表する料率による金利を証券会社から受けとる。またある銘柄について貸株が融資を上回り,品貸料が定められたときは,売付顧客から買付顧客へ品貸料(逆日歩という)が授受される。信用取引は,本来,証券会社自身の信用供与を前提とするが,自社でやりくりできない部分については証券金融会社が証券会社に信用供与に必要な現金または株券の貸与を行っている。…

※「逆日歩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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