逆説(読み)ぎゃくせつ

デジタル大辞泉の解説

ぎゃく‐せつ【逆説】

一見、真理にそむいているようにみえて、実は一面の真理を言い表している表現。「急がば回れ」など。パラドックス。
ある命題から正しい推論によって導き出されているようにみえながら、結論で矛盾をはらむ命題。逆理。パラドックス。
事実に反する結論であるにもかかわらず、それを導く論理的過程のうちに、その結論に反対する論拠を容易に示しがたい論法。ゼノンの逆説が有名。逆理パラドックス

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大辞林 第三版の解説

ぎゃくせつ【逆説】

通常の把握に反する形で、事の真相を表そうとする言説。「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」の類。
〘論〙 相互に矛盾する命題がともに帰結し得ること。また、その命題。パラドックス。 〔「哲学字彙」(1881年)に英語 paradox の訳語として載る〕

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぎゃく‐せつ【逆説】

〘名〙 (paradox の訳語)
① 真理にそむいているようで、よく考えると一種の真理を言い表わしている表現法。逆理。パラドックス。〔哲学字彙(1881)〕
※古典と現代文学(1955)〈山本健吉柿本人麻呂「逆説めくが、むしろ人麻呂が、御用詩人であり、代作詩人であるがゆえにすぐれた詞章を残したということ」
② 一見自明な命題から論理的に正しい推論によってみちびきだされたように見えながら、矛盾をはらむ命題。逆理。パラドックス。
③ 常理に反する説で、その説に反発する正当な論拠を見いだしがたいもの。歴史的には「アキレウスは亀に追いつけない」などのゼノンの逆説が名高い。逆理。パラドックス。
④ =ぎゃくせつ(逆接)〔国語法査説(1936)〕
[語誌]明治六年(一八七三)の「附音挿図英和字彙」初版には、「paradox 奇怪に似て反て道理ある説。奇怪の話」とあるように、明治初年には「逆説」はまだ用いられていなかった。その後「哲学字彙」で「逆説」が訳語に当てられ、同一五年の「英和字彙」再版で語釈に「逆説」が付加されたことによりこの訳語が定着していったと考えられる。

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世界大百科事典内の逆説の言及

【パラドックス】より

…一般に正しいと思われていることに反することがらをいう。〈背理〉〈逆理〉〈逆説〉などともいわれる。語源的には,ギリシア語のpara(超えた,外れた,反した)とdoxa(考え,通念)の合成に由来する。…

※「逆説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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