造船奨励法(読み)ぞうせんしょうれいほう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「造船奨励法」の解説

造船奨励法
ぞうせんしょうれいほう

1896年(明治29)制定の国内造船業育成を目的とする法律前年三菱(長崎)造船所で国内初の1000総トンをこえる鋼製汽船が建造されるなど造船業発展の兆しに対応して,1000総トン以上の鉄製・鋼製国内建造船にトンあたり20円,機関1馬力あたり5円の補助を与える案が議会に出され,三菱以外の造船所の事情を勘案して700総トン以上に対象を拡大して成立即座に船舶輸入を止めるほどの効果はなかったが,第1次大戦期までの国内造船業の発展に貢献した。

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百科事典マイペディア 「造船奨励法」の意味・わかりやすい解説

造船奨励法【ぞうせんしょうれいほう】

1896年制定された国内造船保護の法令航海奨励法と同時に施行。建造原価が割高であった国内造船所に補助金出し,発注増による造船業発達を企図したもの。補助金は700総トン以上(のち1000総トン以上)の船の建造,自製エンジンに対し支給。第1次大戦中の造船ブームで造船技術は国際水準に達し,1919年失効。

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世界大百科事典(旧版)内の造船奨励法の言及

【造船業】より

…これは民間造船業の中核となった。しかし,イギリスとの生産力格差は大きく,海運業が船舶輸入に依存したため造船業の発展は阻まれていたが,96年に公布された〈航海奨励法〉〈造船奨励法〉が転機となった。前者は1000総トン,速力10ノット以上で一定の船齢の遠洋航路就航船に奨励金を交付するもので,99年には国産船舶優遇措置が講じられ,その後重要航路保護が強化された。…

※「造船奨励法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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