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遊走腎 ゆうそうじんwandering kidney

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遊走腎
ゆうそうじん
wandering kidney

臥位から立位をとると腎臓は若干下降するし,また呼吸運動に伴って,吸気では下降,呼気では上昇する。この下降が正常の範囲をこえて著しいものを遊走腎または腎下垂という。腎臓の周囲を包んでクッションの役割をしている脂肪組織が少いためとされている。特にやせ型の女性に多く,内臓下垂の部分現象ともみられる。腰痛や不定の胃腸症状がおもな症状で,腎出血の原因となることもある。無症状のことも少くない。症状のあるもののみを遊走腎症といって,区別することもある。

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デジタル大辞泉の解説

ゆうそう‐じん〔イウソウ‐〕【遊走腎】

腎臓が立位のとき正常の位置から下方に移動する状態。腰部不快感痛みを伴うことがある。

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百科事典マイペディアの解説

遊走腎【ゆうそうじん】

腎臓は健康な状態でも,立位においては横たわった状態よりも4〜5cm下がるが,10cm以上下がる状態を腎下垂という。腎下垂と共に前後左右に動いてしまうものを遊走腎という。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうそうじん【遊走腎 movable kidney】

腎臓は正常でも呼吸運動とともに数cm上下に移動するが,この範囲をこえて大きく移動する場合をいう。とくに下方に移動していることが多く,これを腎下垂症nephroptosisと呼び,本症とほぼ同義語に用いられている。腎臓は,腎動脈や腎静脈および腎臓周囲の脂肪組織によって,腰背部の後腹膜腔に固定されている。先天的にこの腎血管が異常に長い場合や,腎臓周囲の脂肪組織の発育不全があると,本症が起こると考えられている。

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大辞林 第三版の解説

ゆうそうじん【遊走腎】

腎臓の固定が不十分なため、臥位に比べ立位で腎臓が著しく(5センチメートル 以上)下方に移動すること。腰痛・背痛などを起こすことがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遊走腎
ゆうそうじん

腎臓は呼吸、体位により生理的に2~5センチメートルの範囲内で上下に移動するが、この範囲を超えて移動する場合をいう。一般に右腎に著明で、20~40歳の体形的にやせた女性に多く、内臓下垂症の一種とされている。腎または腰部の鈍痛時に仙痛、頻尿、排尿痛などの膀胱(ぼうこう)症状、悪心(おしん)などの消化器症状、種々の神経症状を訴え、血尿、膿尿(のうにょう)などがみられることもある。腎臓の触診と臥位(がい)と立位の排泄(はいせつ)性腎盂(じんう)撮影で診断することができ、症状が軽いものは腹帯や肥満療法で軽快することが多いが、症状が著明なものや合併症を伴うものは腎固定術を行うことがある。[土田正義]

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