遠山一行(読み)とおやまかずゆき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遠山一行」の意味・わかりやすい解説

遠山一行
とおやまかずゆき

[生]1922.7.4. 東京,東京
[没]2014.12.10. 東京
音楽評論家。日興證券(のちの SMBC日興証券)創業者遠山元一長男。1944年東京帝国大学文学部美学美術史科を卒業,1946年東京大学大学院に進む。1951年渡仏し,パリ大学ソルボンヌ校(パリ第4大学)およびパリ国立高等音楽院(→コンセルバトアール)に学ぶ。1957年に帰国後,音楽評論活動を開始し,1959年桐朋学園短期大学教授に就任。1967年に文芸評論家の江藤淳,美術評論家の高階秀爾と『季刊芸術』を創刊。各分野の美の純粋性を追求する評論活動を目指した。この間,1962年には遠山音楽財団を創設山田耕筰武満徹ら作曲家の自筆譜など明治以降の音楽資料を収集・保存する日本近代音楽館を設立。さらに 1980年からは,草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルを開催,若手音楽家の育成に尽力した。桐朋学園大学学長も務めた。1985年紫綬褒章,1993年勲三等旭日中綬章を受け,1998年文化功労者に選ばれた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「遠山一行」の解説

遠山一行 とおやま-かずゆき

1922-2014 昭和後期-平成時代の音楽評論家。
大正11年7月4日生まれ。日興證券(現・SMBC日興証券)創立者・遠山元一の子。属啓成(さっか-けいせい)に師事。昭和22年より「毎日新聞」の音楽評欄を担当。26年フランスに留学。34年桐朋学園大教授(平成7-8年学長)。42年江藤淳,高階秀爾,古山高麗雄(こまお)らと「季刊芸術」を創刊。東京文化会館館長,日本音楽コンクール運営委員長,東京芸術劇場館長などをつとめた。平成10年文化功労者。平成26年12月10日死去。92歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「ショパン」「名曲のたのしみ」「私の音楽手帖」「いまの音むかしの音」など。

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