コンセルバトアール(読み)こんせるばとあーる(英語表記)conservatoire

翻訳|conservatoire

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンセルバトアール」の意味・わかりやすい解説

コンセルバトアール
こんせるばとあーる
conservatoire

工芸演劇の学校をさす場合もあるが、おもに音楽の専門的教育を行う学校をさし、音楽院と訳される場合もある。元来イタリア語のコンセルバトーリオconservatorioは、身寄りのない子供たちを養育し音楽を教える慈善施設を意味し、多くが病院に併設されていたためオスペダーレ(「病院」の意味)とよばれる場合もあった。とくにベネチアにはこの種の施設が多く、ビバルディ教師を務めたオスペダーレ・デッラ・ピエタは有名。のち、ヨーロッパで高度の音楽教育を行い、専門家の養成を目ざす音楽学校コンセルバトアールとよぶようになった。

[美山良夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンセルバトアール」の意味・わかりやすい解説

コンセルバトアール
conservatoire

音楽・演劇教育機関。語源は,中世教会に設けられた聖歌隊員の子供たちのための一般教育施設 conservatoriであるが,今日のような専門教育機関としては 1784年に創設されたパリのコンセルバトアールがその最初の例である。その後 18~19世紀にヨーロッパをはじめアメリカ,オーストラリアなど世界各地に設立され,作曲,演奏および声楽演技など専門的な技術教育活動の中心となった。パリのコンセルバトアールは,1795年に国立の学校として再組織されたのち,1946年演劇部門が分離されて国立高等演劇学校 Conservatoire national supérieur d'art dramatiqueとなり,音楽部門も 57年国立高等音楽院 Conservatoire national supérieur de musiqueと改称されて今日にいたっている。

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