空気中を伝搬する音波を遮ること。どのような材料でも遮音の目的に利用されれば遮音材料とよばれる。遮音材料を組み合わせて必要な量だけ遮音するよう構成されたものが遮音構造である。遮音材に音波が入射すると、その一部は反射され、一部は材料内で吸収され、残りが透過する。入射音の強さに対する透過音の強さの比を材料の音響透過率というが、遮音性能を示す指標としては、透過率の逆数の対数を10倍した透過損失(単位デシベル。dBと略記)という量が用いられる。遮音材料あるいは遮音構造の透過損失は定められた測定方法に従って求められるが、一般に単位面積当りの重量(面密度kg/m2)が増すほど大きくなる。また同一の材料でも、単に厚さを増すより、間隔をとって二重構造にするほうがはるかに大きくなる(例、二重窓)。ただし、透過損失の大きい遮音構造でも、たとえばつちでたたくことによって、その裏面から放射されるような固体音には無効なことも多いので注意を要する。通常、固体音の遮断は空気伝搬音の遮音とは区別して取り扱われる。
[古江嘉弘]
『日本建築学会編『設計計画パンフレット4 建築の音環境設計』(1983・彰国社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…騒音対策を行う場合には,原因がどちらであるかを明らかにしたうえで,それぞれに対応した防音構造を採用する必要がある。
[遮音設計]
建物外部の騒音や隣室の音に対しての防音構造とするためには,壁などに十分な遮音性能が要求される。入射音エネルギーに対する透過音エネルギーの割合を音響透過率(τ)といい,その逆数の常用対数を10倍した値を音響透過損失transmission loss(略称TL)と呼ぶ。…
※「遮音」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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