音のエネルギーを部分的に熱エネルギーなどに変換する材料。室内騒音を低下させたり、室内音響計画における残響時間の調整、エコーの減少に寄与する。吸音機構により次の区分がある。
(1)テックス、グラスウール、ロックウールなど多孔質あるいは繊維状の材料。孔中の空気が音波で振動し、その結果生じた摩擦により音のエネルギーが熱エネルギーとなって吸収されるもので、高音に適する。
(2)弾性の多孔質材料。音波で材料自体が振動し、おもに内部粘性で吸収するもので、低音および高音に適する。
(3)剛壁とある間隔を置いて設置された薄板。音波で薄板が振動し、空間内部、取り付け部の損失で吸収するもので、低音に適する。
(4)剛壁とある間隔を置いて設置された孔(あな)あきの板。板自体は音波でほとんど振動せず、孔部の空気が裏側空間をスプリングとして振動し吸収するもので、おもに低音に適する。
(5)内部に広がりをもつ大きな穴を有する材料。音波で穴入口部の空気が穴内の空気をスプリングとして振動し吸収するもので、低音に適する。
[坪内信朗]
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