遷都(読み)せんと

精選版 日本国語大辞典 「遷都」の意味・読み・例文・類語

せん‐と【遷都】

〘名〙 都をほかの地に移すこと。都をかえること。みやこうつり。
※続日本紀‐文武四年(700)三月己未「後遷都平城也」
平家(13C前)五「かかる世のみだれに遷都造内裏、すこしも相応せず」 〔春秋左伝注‐隠公八年〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「遷都」の意味・読み・例文・類語

せん‐と【遷都】

[名](スル)都を他の地に移すこと。みやこうつり。「地方遷都する」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「遷都」の意味・わかりやすい解説

遷都
せんと

政府の所在地を移しかえること。日本では天皇宮城を正式に移すことに限って用いられ、幕府の開設には使われなかった。天武(てんむ)天皇のときまでは、継体(けいたい)天皇のときに幾度か移転したことを除くと、各天皇が即位するごとに宮処(みやこ)を移しかえていた。ところが、持統(じとう)天皇のとき、694年に中国の都城制を導入した藤原京に移ってから、即位とは関係なく京として固定されるようになった。元明(げんめい)天皇の710年(和銅3)に平城京へ移るが、聖武(しょうむ)天皇は740~745年(天平12~17)の間、恭仁(くに)京などを転々としている。その後、桓武(かんむ)天皇は一時長岡京に移るが、794年(延暦13)に平安京に遷都し、この後、1180年(治承4)の福原京を除くと、1869年(明治2)の東京遷都まで京都を動くことはなかった。古代においてしばしば宮城を移した理由は、旧政治勢力から離れて新政を行う、政情不安を切り抜けようとする、人心を一新する、などの意図をもち、さまざまの政治的背景によるものであった。

[明石一紀]

『村井康彦著『古京年代記』(1973・角川書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

普及版 字通 「遷都」の読み・字形・画数・意味

【遷都】せんと

都遷り

字通「遷」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android