本渓(読み)ホンケイ(英語表記)Běn xī

デジタル大辞泉 「本渓」の意味・読み・例文・類語

ほんけい【本渓】

中国遼寧りょうねい省東部の鉱工業都市。石炭・鉄の産地旧称本渓湖。人口、行政区98万(2000)。ペンシー

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精選版 日本国語大辞典 「本渓」の意味・読み・例文・類語

ほんけい【本渓】

  1. 中国遼寧省中部の都市。良質の石炭と鉄鉱石石灰石などを産出するほか鉄鋼セメント機械などの工業が行なわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「本渓」の意味・わかりやすい解説

本渓 (ほんけい)
Běn xī

中国遼寧省(旧奉天省)東部の太子河上流域,瀋丹(旧安奉)鉄道沿線にある都市。1906年(光緒26)に遼陽府下の遼陽,鳳城,新賓の3県の一部をさいて本渓県とされた地で,西に本渓湖があり,本渓県はこの湖の名をとって称されたものである。市街は日本の大倉財閥進出によって発展し,1937年街制がしかれ,45年市制がしかれたとき本渓市と改称された。同地は古来著名な産炭地で,廟児溝はじめ近隣から運ばれた鉄鉱石を使って鉄器も製造されていた。この資源に着目した大倉は,日露戦争後に採炭事業に従事し,紆余曲折した交渉のすえ,1910年奉天省政府と合弁で本渓湖煤礦公司を設立した。翌年,採炭のほかに製鉄事業も行うために改組され本渓湖煤鉄公司となった。出資・役員構成は日中対等であったが,実情は両国政府の外交交渉を経て設立されたので日本の準国策会社的性格をもち,資金的・経営的実権は大倉側にあった。同公司は,満州における最初の近代的製鉄所であり,数年後に設立された満鉄鞍山製鉄所(のちの昭和製鋼所)とともに鉄不足に悩む日本経済に大きく寄与した。満州事変以後,関東軍経済統制が強まり,満州産業開発5ヵ年計画が発足するなかで,1939年に満州重工業開発会社(鮎川=日産資本)が資本参加する形に改組された。設備も従来の年産能力15万tから55万tに拡充され,従業員も3万~4万人に達した。敗戦直後,同地に進駐したソ連軍によって大部分の設備が撤去されたが,中華人民共和国の第1次5ヵ年計画以後,戦前の水準をこえる設備拡大がなされ,今日,中国の主要製鉄所の一つとなっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本渓」の意味・わかりやすい解説

本渓
ほんけい / ペンシー

中国、遼寧(りょうねい)省東部の地級市。太子河(たいしが)上流に位置する鉱工業都市である。平山(へいさん)、明山(めいざん)、渓湖(けいこ)、南芬(なんふん)の4市轄区、本渓、桓仁(かんじん)両満洲(まんしゅう)族自治県を管轄する(2016年時点)。常住人口151万2103(2015)。「鉄と石炭の町」として知られ、鉄は遼・金(きん)の時代、石炭は清(しん)代から採掘が行われていたが、1911年日清合弁の本渓湖煤鉄(ばいてつ)公司(コンス)(現、本鋼集団)が創設されてから発展した。中華人民共和国成立後、生産設備が増強され、鉄山、炭鉱のほか製鉄、製鋼、圧延、建築材料などの工場がつくられたが、近年老朽化が進んでいる。その他、紡績、石油化学、冶金などの工業が立地する。

 瀋丹線(瀋陽(しんよう)―丹東(たんとう))が南北に通り、遼渓線(遼陽(りょうよう)―本渓)、渓田線(本渓―南旬)が分岐する。市名の語源である本渓湖や本渓県の鉄刹(てっせつ)山は名勝地として知られ、桓仁県の五女山(ごじょさん)には高句麗(こうくり)の山城(やまじろ)遺跡がある。

[河野通博・編集部 2017年4月18日]

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百科事典マイペディア 「本渓」の意味・わかりやすい解説

本渓【ほんけい】

中国,遼寧省中東部の鉱業都市。瀋陽の南東,遼河支流の太子河の上流にあり,瀋丹鉄路(瀋陽〜丹東)が通る。良質の石炭・鉄鉱石を産し,〈炭鉱の町〉とも呼ばれている。1905年以後日本資本が進出,1911年合弁で本渓湖煤鉄公司を設立し採炭・製鉄を行った。解放後その生産高は飛躍的に増大し,製鉄・製鋼業,建築材料工業などが盛ん。95万人(2014)。
→関連項目遼寧[省]

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