東北抗日連軍(読み)とうほくこうにちれんぐん(その他表記)Dong-bei kang-ri lian-jun

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東北抗日連軍」の意味・わかりやすい解説

東北抗日連軍
とうほくこうにちれんぐん
Dong-bei kang-ri lian-jun

中国の東北地方 (旧満州) で 1934年につくられた抗日のための軍事統一組織。満州事変勃発以来,東北で抗日闘争を展開してきた抗日救国会,抗日遊撃隊,東北人民革命軍,抗日同盟軍などを統一するため,34年3月東北抗日連軍総指揮部が設置され,抗日連軍第1~11軍が編制され,各種の制度と大衆への政治工作を決定し,作戦地区を区分した。このうち第1~7軍は中国共産党の直接指揮する部隊で,抗日連軍 11個軍の総兵力は,最も多いときで約5万 5000人に達し,そのほかにも,抗日連軍に編制されてはいないがその指揮を受入れている武装兵が約2万人いた。 35年2月東北抗日連軍が完全に統一され,36年7月抗日連軍は3路軍に改編された。第1,2軍を合せた第1路軍,第4,5,7,8,10軍を合せた第2路軍,第3,6,9,11軍を合せた第3路軍である。 36~37年に東北の抗日遊撃戦争は非常に活発となり,37年には東北の東部に人民政府が成立した。これに対して日本の関東軍は兵力を増強して討伐作戦を繰返したが鎮圧に成功せず,関東軍は抗日連軍と関係があるとみなした民衆を殺したり,民家を焼払ったりしたため,まったくの無人地域となった県さえあった。抗日連軍と民衆との断絶をはかる日本側の徹底した作戦の結果,抗日連軍はきわめて困難な状況に追込まれたが,その抗日闘争はやむことなく続けられ,民衆も死の危険をおかして,暗夜に抗日連軍に食糧を運んだりした。抗日戦勝利ののち,東北民主連軍と改称され,東北の解放にあたり,47年人民解放軍に編入された。

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