精選版 日本国語大辞典 「金鳳花科」の意味・読み・例文・類語
きんぽうげ‐か‥クヮ【金鳳花科】
- 〘 名詞 〙 双子葉植物の科名。約五〇属八〇〇余種あり、主に北半球に分布する。草本がほとんどである。二叉分枝する根茎が発達し、時に塊根を持つ。葉は普通互生し托葉(たくよう)がない。花は主に有限で集散花序をなし、花托(かたく)に螺旋状に配列し、放射相称。両性。花被は舌状で多数、まれに萼(がく)と花冠から成るものもある。しばしば、花被と雄しべの間に蜜腺があるが、花被の変形したものだという。雄しべは一般に先熟で、多数が螺旋状に配列する。心皮は多数、離生し螺旋状配列をする。各心皮には通常一個、時には数個の卵子が着く。果実は痩果(そうか)または袋果(たいか)。この仲間はすべて離生心皮を持つことなどから、形態学的には原始的な群で、異質な特徴を持つ属から成る。ボタン、オダマキ、クロタネソウ、ヒエンソウ、アネモネ、ユキワリソウ、フクジュソウ、クレマチスなど、観賞用に栽培されるものが多い。また、オウレン、トリカブトは、薬用とされる。なお、ボタンやシャクヤクなどを含むボタン属は、発達した花盤を持ち、葯(やく)が中央で裂開し、大きな仮種皮のある種子ができ、さらに、植物解剖学的所見からボタン科として取り扱われることがある。うまのあしがた科。〔生物学語彙(1884)〕