針千本(読み)ハリセンボン

デジタル大辞泉 「針千本」の意味・読み・例文・類語

はり‐せんぼん【針千本】

フグ目ハリセンボン科の海水魚全長約35センチ。背側褐色腹側は白色。体表にうろこの変化した可動性の大きなとげを4、500本密生し、危険が迫ると体をふくらませてとげを立てる。温・熱帯海に広く分布し、日本では本州中部以南でみられる。はりふぐ。すずめふぐ。

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精選版 日本国語大辞典 「針千本」の意味・読み・例文・類語

はり‐せんぼん【針千本】

  1. 〘 名詞 〙
  2. フグ目ハリセンボン科の海産魚。全長約三五センチメートルに達するが、普通二〇センチメートルぐらい。体は卵形で、ほぼ全身が長くて強いとげでおおわれているところからこの名がある。濃褐色の斑点が散在。ふつう防御にさいしてとげを逆立てる。世界の暖海に広く分布。肉は無毒で、皮をはいで食用とする。はりふぐ。すずめふぐ。ばらふぐ。はりせんぼう。〔物品識名(1809)〕
  3. クモガニ科の中形のカニ。日本の固有種で、本州中部以南のやや深海に分布。甲はほぼ三角形で、長さ約二センチメートル。全体に赤みを帯び、鋭い小さなとげでおおわれる。歩脚は著しく細長く、脚の前半部には長い毛が密生する。

はり‐せんぼう【針千本】

  1. 〘 名詞 〙 「はりせんぼん(針千本)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「毎年一二月八日に、海上風波荒、はりせんぼうといふもの、波に打あげらるる故」(出典:随筆・秉穂録(1795‐99)二上)

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