鉄の肺(読み)テツノハイ

デジタル大辞泉 「鉄の肺」の意味・読み・例文・類語

てつ‐の‐はい【鉄の肺】

小児麻痺などで呼吸ができない場合に用いる人工呼吸器鉄製円筒形気密室に首だけ出して入り、高圧低圧とを交互に加えて呼吸を助ける。

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精選版 日本国語大辞典 「鉄の肺」の意味・読み・例文・類語

てつ【鉄】 の 肺(はい)

  1. 小児麻痺、潜水病などで呼吸筋がおかされて、呼吸運動ができなくなった場合に用いる鉄製の人工呼吸器。患者の首以下の全身を鉄の箱の中に入れ、胸の周囲空気圧力機械で加減して、長時間人工呼吸を行なう。〔からだの科学(1968)〕

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百科事典マイペディア 「鉄の肺」の意味・わかりやすい解説

鉄の肺【てつのはい】

ポリオ重症筋無力症などで呼吸麻痺に陥った患者を収容する人工呼吸器械。1927年アメリカのフィリップ・ドリンガーによって発明された。鉄製円筒形の気密室で,患者は首だけ外に出してこの中に封じこまれる。器内の気圧を変動させることにより,胸郭に呼吸運動を起こさせる。現在はほとんど使用されない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉄の肺」の意味・わかりやすい解説

鉄の肺
てつのはい
iron lung

20世紀半ばに用いられた人工呼吸器の一種。小児麻痺などの病気によって,呼吸筋が麻痺して呼吸できなくなった患者の身体を箱の中に入れ,頭だけ外に出して,箱内の空気に陽圧および陰圧をかけて胸部に他動的に呼吸運動を起させる装置ピストンと連結した鉄製の筒でできたタンク式のものだが,現在ではほとんど用いられていない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄の肺」の意味・わかりやすい解説

鉄の肺
てつのはい

人工呼吸器

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